名護市辺野古の新基地建設を「知事権限で阻止する」と公言する翁長雄志知事。各課からアイデアを募って集めた権限リストの全貌は、ごく一部の限られた幹部しか見ることのできない「門外不出」(沖縄県幹部)扱いという。政府との法廷闘争を見据え、情報戦を意識しているためだ。


 いの一番に想定されるのは、仲井真弘多前知事による埋め立て承認の取り消しか撤回だ。沖縄防衛局が埋め立て本体工事に着手する権利そのものを取り上げることになり、「実質的にも、世論的にも効果大」(県関係者)とされる。

 ほかにも、実効性に濃淡あるとはいえ、数多くの権限がありそうだ。今夏にも始まる本体工事前に、防衛局は、ボーリング調査結果を反映させた実施設計を県と協議しなければならない。埋め立て工事に先立つ造礁サンゴの移植には、県の特別採捕許可も必要だ。移植目的や手法が許可するかどうかが主な基準で、審査には1週間から数週間程度を要する。

 建設予定地の名護市長が持つ権限との“合わせ技”も想定される。例えば、市長が許可しなければ作業ヤードとして使う予定の辺野古漁港が使えず、防衛局は県に計画変更の承認を得る必要が生じる。市長権限も市道利用など数多くあり、県関係者は「行政権限を持つ県、市が足並みをそろえて反対する計画の強行は、いくら安倍政権でも難しいだろう」と分析した。