沖縄地域は、全国よりも給与が低い一方で、働く時間も長いというデータがあります。その原因として「労働生産性」というキーワードが関係ありそうです。経済の活性化を掲げている安倍内閣においても、日本経済のさらなる持続的な成長にとって必要なこととしてサービス産業における労働生産性の向上を挙げているのです。今回は、今後の経済発展を考える際のカギとなる「労働生産性」に焦点を当てながら、沖縄県内の経済事情や活性化の視点を整理してみたいと思います。●労働生産性とはなんだろうか

沖縄県の労働生産性はほとんど全国平均を下回っている (出所)「2012年 経済センサス活動調査」より作成 

沖縄県の給与もほとんど全国平均を下回っている (出所)「2012年 経済センサス活動調査」より作成 

(出所)厚生労働省『毎月勤労統計調査(年結果)』より作成

沖縄県の労働生産性はほとんど全国平均を下回っている (出所)「2012年 経済センサス活動調査」より作成  沖縄県の給与もほとんど全国平均を下回っている (出所)「2012年 経済センサス活動調査」より作成  (出所)厚生労働省『毎月勤労統計調査(年結果)』より作成

 労働生産性とは、付加価値額を従業者数で割った金額のことを指します。非常に簡略化して説明しますと、労働生産性が高い産業ほど、相対的に少ない人数で多くの稼ぎを上げている産業だといえるのです。一方で、現時点では、付加価値が低い産業だとしても、「働き方」の改善などを通して、付加価値額を向上させ労働生産性を引き上げることができれば、企業、経済全体の活性化にもつながるといえます(労働生産性や付加価値額などについては「※参考:労働生産性と付加価値額について」を御覧ください)。


 ちなみに、沖縄における主要産業である観光関連産業などと比較的関連のある「宿泊業、飲食サービス業」の沖縄地域の労働生産性は152万円で全国平均を26万円下回っています。サービス産業の比率が多い沖縄地域においては、働いている人の働きぶり、つまり、一人ひとりの生産性が他地域よりも経済の活性化に大きく影響を及ぼします。生産性を向上させることができれば、沖縄地域のさらなる活性化につながるといえるのです。


※参考:労働生産性と付加価値額について 付加価値額とは、企業の生産活動によって新たに生み出される価値のことを指します。具体的には企業の営業利益に従業者などへの給与額などを足したものを指します。単純に生産活動におけるメリットを企業の利益だけでなく、従業員の給与なども含めて算出したのが付加価値額となるのです(以下の図表を参照ください)。


 具体的な例で言えば、ある企業が給与総額を前年より1000万円増加させ、さらに企業としての利益も1000万円増加していたとしたら、付加価値額は前年より2000万円の増加となります。一方、企業の利益が前年より1000万円増加していたとしても、給与総額を1500万円減少させていれば付加価値額は500万円減少となるのです(図表を参照ください)。