沖縄戦で壊滅的被害を受けた那覇市。戦後、復興を願う人々が現在の国際通り近くを流れるガーブ川沿いに木造店舗を建て商売を行った。「水上店舗」と呼ばれるアーケード街は各通りに名前が付けられ、街の活性化の一翼を担った。今回はその一つの「むつみ橋通り街」をご紹介する。

むつみ橋通り街の看板は通りの中に3カ所設置されている

アーケード通りで一番最初にむつみ橋通り街が道をモダンなタイル張りにした

レッドデータに登録されているオリイオオコウモリのオブジェ

飛べない鳥として有名なヤンバルクイナのオブジェ

ハブ駆除の目的で県外から持ち込まれ、在来種捕食で問題視されるマングースのオブジェ

手作り「昭屋」は歌手の夏川りみさんも歌番組で使用したというかんざしが人気

おみやげ「とんとん」の店主。人あたりがよく、通りの人気者

むつみ橋通り街の通り街の店舗喫茶「凛」にて

朗らかで気さくなむつみ橋通り街会長の泉川貞子さん。いつも笑顔で人々を包み込む

むつみ橋通り街の看板は通りの中に3カ所設置されている アーケード通りで一番最初にむつみ橋通り街が道をモダンなタイル張りにした レッドデータに登録されているオリイオオコウモリのオブジェ 飛べない鳥として有名なヤンバルクイナのオブジェ ハブ駆除の目的で県外から持ち込まれ、在来種捕食で問題視されるマングースのオブジェ 手作り「昭屋」は歌手の夏川りみさんも歌番組で使用したというかんざしが人気 おみやげ「とんとん」の店主。人あたりがよく、通りの人気者 むつみ橋通り街の通り街の店舗喫茶「凛」にて 朗らかで気さくなむつみ橋通り街会長の泉川貞子さん。いつも笑顔で人々を包み込む


 戦前に架かかっていた「ガーブ橋」。橋の架け替えを機に市が名称を一般公募し、那覇市市歌の一部「むつみ集う我が那覇市」から引用した「むつみ橋」が選ばれた。その後、橋は撤去されたが、アーケード街の名称として残り現在に至る。通り会は1964年頃発足し、復帰後の1970年代にアーケードを設置した。その後、数ある通りの先駆けとして足元の舗装をタイル敷きにするなど工夫を凝らしている。


 むつみ橋通りを歩いてみて、店舗の看板の上に沖縄に関連した生き物のオブジェが置かれていることに気づかれただろうか? 県民でも知らない人は結構多いのだが、全長141メートルの通りには12種類の大きなオブジェが点在しており、子供達にも人気だ。


 特別天然記念物のカンムリワシやジューミー(サキシマカナヘビ)、ヤンバルクイナなどのほか、レッドデータ沖縄に登録されているオリイオオコウモリやノグチゲラなど本物そっくりに作られていて見事だ。


 通り街会員がお金を出し合って作成したそうだが、国際通りから入ると最初に目に入るのがマングースだ。何故マングースなのか疑問に思い、通り街の歴史に詳しい副会長、渡慶次弘子さんに伺った。


 「マングースはハブ駆除するため県外から連れてこられた外来種として有名。最初はとても駆除効果があるともてはやされたが、数が増えすぎてしまい、現在ではヤンバルクイナの天敵として駆除対象の特定外来種となってしまった。人間の都合でそうなってしまったことを、沖縄を訪れた観光客や地元の人が気がついて、生態系についてちょっと考えてもらえるようになればと思い、あえてこの場所に置いた」とのこと。


 オブジェは子供が喜んで見るだけでなく、人間の都合で自然や生態系が変わってしまうことの重要性を考えるのに一役買っているようだ。


 通り街会長の泉川貞子さんによると、オブジェを設置したのは国際通りに隣接しているのに、以前はむつみ橋通り街の名前があまり知られていなかったためだという。沖縄らしいモチーフを、と試行錯誤した結果、知られているようで知られていない昔から沖縄に生息する身近な生き物や、数が減ってきている動物を選んだそうだ。