Google(グーグル)が開発した現実世界の陣取りゲーム「ingress(イングレス)」。2012年11月にスマートホン向けの無料アプリとしてサービス(http://urx2.nu/gouH)が始まり、世界中でユーザーをとりこにしている。14年11月時点で、日本は世界で3番目に多いプレーヤー数を誇り、沖縄でも、じわじわとユーザーが増えている。沖縄では、昨年から、イングレスに特化したラジオ番組が開始され、イングレスをモチーフにしたぜんざいも登場した。沖縄のイングレス事情を全3回にわたって紹介する。2回目は、イングレスのラジオ番組を始めた55歳のDJに迫った。

毎週水曜日午後8時から放送中のイングレス専門ラジオ番組「イングレス青ラジ」のメンバーたち

イングレスをするために購入した伊波さんの「課金アイテム」たち。ヘルメットも自転車も手袋も青にそろえた

課金アイテムを身につけて、今日もイングレスに出かける伊波さん=うるま市石川のFMうるま

毎週水曜日午後8時から放送中のイングレス専門ラジオ番組「イングレス青ラジ」のメンバーたち イングレスをするために購入した伊波さんの「課金アイテム」たち。ヘルメットも自転車も手袋も青にそろえた 課金アイテムを身につけて、今日もイングレスに出かける伊波さん=うるま市石川のFMうるま

 2014年11月12日。沖縄本島の中部に位置するうるま市のコミュニティー放送局「FMうるま」(リンク)でingress(イングレス)専門ラジオ番組「イングレス青ラジ」が産声を上げた。
 ラジオが始まったことを聞きつけた記者が取材を申し込んだところ、社長の伊波良和さんが「どうぞ、どうぞ」と受け入れてくれた。白髪で背筋がピンと伸びたダンディーな55歳。イングレスユーザーは30~40代が多いため、これから担当DJを紹介してくれるのかと思ったら、伊波さんこそが、イングレス専門ラジオ番組の仕掛け人だった。
 伊波さんがイングレスを始めたのは、昨年7月。イングレスがAndroid(アンドロイド)だけの対応から、iPhone(アイフォーン)にも拡大したころだ。
 伊波さんは2011年から、Facebook(フェイスブック)の魅力をひたすら語る番組「ふぇいすぶっくラジオ」の番組を持っている。共演者の鈴木孝昌さん(IT関連会社代表取締役)に以前から、イングレスへの参加を誘われていた。でも、自身の携帯はアイフォーン。しかも、「ゲームを始めると、はまりすぎる性分。やんわり断っていた」。
 しかし、伊波さんには、大きな悩みがあった。10年前から抱える持病、糖尿病だ。医師からは定期的に運動をするように言われ、血糖値を下げる薬などを飲み続けていた。そんな話を鈴木さんにすると、「イングレスは歩くゲーム」だと言う。「そうなのか」。半信半疑だったが、アイフォーン対応になるのを待ち、ついに今年7月、イングレスのアプリをダウンロードした。
 始めてからというもの、伊波さんの生活は激変した。仕事に行く前に2時間、仕事終わりに2時間、夜中も時々1時間、夢中になってポータル(博物館や郵便局などの拠点)を目指し、歩き回った。これまで糖尿病改善のために「やらなければならない」と自分に課していた散歩は飽きやすく、挫折を繰り返していたのに、自然と自分なりの散歩コースを作って、あっちに行ったり、こっちに行ったり、ポータルをタップすると出てくる「ハック」をさらにタップすることでアイテムを入手し、リンク(陣地)を張った。