先月、衆院が解散され、現在、総選挙が行われています。
 解散前の臨時国会においては、主な労働関係の法案として「労働者派遣法の改正案」や「女性の活躍推進法案」について議論されていましたが、解散により廃案となり、成立しませんでした。
 個人的にはどちらの法案とも拙速な審議で成立するよりは、国会での議論を通して、国民の関心が高まり、そして、十分に議論を経たうえで採決が行われるほうが望ましいと考えています。今後の国会でもあらためて議論されることになると思いますが、メディアも含めた社会全体で議論が活発化することを期待したいです。
 今回は、総選挙で議論してほしい日本の雇用問題の中で、最も重要なテーマの一つである「正規・非正規職員」の問題についてデータを紹介しながら考えてみたいと思います。

非正規の職員・従業員は増加傾向が続いている

非正規から正規へ転職したものはわずか27%

正規・非正規の賃金差は大きい

非正規の職員・従業員は増加傾向が続いている 非正規から正規へ転職したものはわずか27% 正規・非正規の賃金差は大きい

●増加傾向が続く非正規職員


 日本においては従来、(特に大企業と呼ばれる)企業に正社員として採用されると、仕事内容や勤務地などは企業の都合で変更されることがある一方、定年までは容易に解雇されることがありませんでした。また、給与も勤続年数や年齢を考慮して支給されることから同一の職場で定年まで働くことが、労働者にとってもメリットがありました。
 しかし、経済環境の変化に伴い、企業も海外の企業との競争などにさらされる中で、多くの労働者を従来の正社員というカテゴリーで雇い続けるのが困難になってきました。その結果、多くの企業は、雇用者数を調整しやすい非正規職員というタイプの社員を採用するようになっていきました。
 実際、非正規職員の割合は、全国的にも沖縄県内でも増加傾向にあります。2012年の総務省の就業構造基本調査によれば、全国平均で非正規の職員・従業員の割合は38.2%で前回調査の2007年の35.5%と比較すると2.7ポイント増加しています。沖縄県内においても、2012年は44.5%で、前回調査の2007年の40.7%と比較すると3.8ポイントも高くなっています(図を参照)。ちなみに、沖縄県内の非正規職員・従業員の割合は全国で最も高い割合です。
 なぜ沖縄地域で高いのか、という点に対して明快な理由を持って説明することは難しいのですが、規模が小さい企業が多い、サービス業が全国と比較して多いなどの要因が推察されます。