さて、いよいよ学習です。
 中学生それぞれが、1日の勉強の目標を立てます。
 「○ページから○ページまでやりきる」
 「苦手な問題のページを終わらせる」
 緊張した雰囲気を和らげるため、クラシック音楽を流して、勉強に取りかかりました。
 夏休みの宿題や手持ちの参考書などを使って、それぞれの学習ペースに合わせて進めます。
つまづいている問題があれば、質問に答えながら一緒に解きます。そして、一人で解けるようになれば、「できたね」と声かけをしたり、その日の目標を達成できれば、他の勉強に取り組んだりもしました。
質問を受ける中で、
 「英語は文法が難しいから苦手」
 「数学は計算から答えが出るのが嬉しい。達成感がある」。
という言葉の中から、それぞれの得意科目、苦手科目などを把握しました。これを受けて、一人ひとりにあった学習ができるように、大学生もそれぞれが得意な科目をお互いに把握し合い、中学生の質問にベストな状態で教えられるように工夫しました。

【夏休みの宿題や参考書を広げ、中学生と大学生は二人三脚で学習に取り組んだ=8月11 日、沖縄国際大学】

【大学構内を巡った学校探検ツアー。大学という場所を初めて歩いて、目がきらきらしている 中学生たち=8月12日、沖縄国際大学】

【夏休みの宿題や参考書を広げ、中学生と大学生は二人三脚で学習に取り組んだ=8月11  日、沖縄国際大学】 【大学構内を巡った学校探検ツアー。大学という場所を初めて歩いて、目がきらきらしている  中学生たち=8月12日、沖縄国際大学】

 私たちの仕掛けは、これだけではありません。大学の福祉・ボランティア支援室で、学習を応援するという機会を生かし、大学内の施設を案内する「学校探検ツアー」を開催! 中学生には珍しく映る、段差のある階段教室やゼミ教室、サークル棟など、大学内の施設を案内したり、体育館ではスポーツをしたりもしています。これは、大学生と中学生の交流を深めるだけでなく、中学生が「大学生」や「大学」という場を知り、将来、自分が進む道の選択肢と捉えるなど、視野が広がる機会になったらと考えています。

 さて、試運転期間の2週間は、中学生を家へ送り帰してからの午後6時から1~2時間、毎日、反省会を兼ねたミーティングをしました。中学生にとって、より良い学びの環境作りをするためです。学習している中学生の様子に着目し、大学生が気づいた点を出していきます。
 「机がドアに近いため、人の出入りで中学生の集中力が切れてしまっている」
 「学習室の机を『ロの字型』に配置していて、勉強している中学生からすると、大学生に取り囲まれている印象がある」
 大学生だけで考えた環境作りでは、気づかなかった盲点でした。早速、複数あった大学生が出入りのドアを一つに限定。机の配置も「コの字型」のレイアウトに変えて、取り囲まれている印象がなくなるように、大学生が動き回れるようにしました。こうして試行錯誤を繰り返しながら、学習の応援だけでなく、中学生が学びやすい環境作りのお手伝いをしています。
「ひとり親家庭応援プロジェクト」の試運転期間は、学習環境の整備や中学生の様々な課題を発見できました。大学生側は、課題解決のために試行錯誤でしたが、中学生からは、「学習応援が8月で一度、終わりになるのが寂しい」
 「夏休み期間だけなの? 何月からまた学習応援始まるの?」
などの中学生の声を聞き、「学習応援をしてよかった」「中学生がまた大学生と勉強したいと思ってくれている」などと実感することができました。期待と不安が大きかった分、喜びを感じました。
 さぁ、10月からの本格始動に向けて、もっともっと改善するぞ! と大学生が意気込んでいるその前に、プロジェクトの主役、中学生はどんな気持ちでプロジェクトの試運転に臨んだのでしょうか。次回は、中学生の本音についてお伝えします。