手話ってどんなイメージがありますか? 聴覚障がい者のコミュニケーションに欠かせないツールですが、聞こえる人はもちろん、聞こえない人すべてが手話を使えるわけではありません。なので、意思疎通がなかなかうまくいかないことがあるんです。

【「手話」という言葉の手話です。右手と左手のひと差し指で表します】

差別や偏見の有無

【「花」の言葉の手話です。花が咲いている様子を、指を広げて表します】

【「手話」という言葉の手話です。右手と左手のひと差し指で表します】 差別や偏見の有無 【「花」の言葉の手話です。花が咲いている様子を、指を広げて表します】

■手話とは?


 そもそも手話は、ボディーランゲージの一つ。伝えたいことを立体的に動きを付けて、誰が見ても分かるように表現します。日本中どこでも、手話を知っている者同士が出会えば、すぐに言いたいことが通じます。手話ができることで、得られる情報量は増え、人脈の幅も広がるというメリットがあります。
手話は日本だけではありません。国によって手話の形は違いますが、手を使って表現するので、どこの国の人とやりとりをしても、感覚的に理解しやすく、壁を感じません。
 聞こえる人同士でも、こうした経験はあるのではないでしょうか。例えば、英語が苦手な日本人が英語圏の人に何かを伝えないといけない場合、英語が通じなくてコミュニケーションに困った時は、ボディーランゲージで伝えますよね。外国の人たちも昔から、言葉が違う国の人とコミュニケーションを取る時は、ボディーランゲージを使っていました。これが、聴覚障がい者のための「sign language(手話)」の始まりです。
 音楽や芸術、スポーツが国境を超えて分かち合えるのと同じように、手話も国境を超える力があります。

■rightとlightは手話で解決?


 「お菓子がなくなったからお菓子買ってきて」とお願いされた場合。1回目の連載でも書きましたが、「おかし」と「おはし」は発音すると口の形が同じなので、「お菓子? お箸?」とどちらのことを言っているのか、判断に困ることがあります。
日本語には、同じ発音でも意味の異なる言葉が非常に多いんです。【たいじ】は、「退治・胎児・対峙」。【こうせい】は「構成・校正・公正・厚生・更正・攻勢・後生・後世・恒星」など、複数の単語があります。英語でも「rightとlight」、「hereとhear」など、多く存在します。
結局、口元の動きを見る読唇術で会話の前後を理解して、わずかに聞こえてくる音声を補聴器を頼りに分かろうとしても、判断がつかないことがあります。
 そんなとき、「手」は大活躍。手話や指文字で単語を表せると、お菓子のことをいっているんだな、胎児のことをいっているんだなと、つまずくことなく、スムーズに会話ができます。さらに、若いときは聴覚障がいの程度が軽くても、年齢を重ねると、聴力は少しずつ落ちていきます。聴覚障がい者にとって、手話の重要性は年とともに増していくのです。