子どもたちがキャラクターを好きな理由は三つあります。三つの理由は、「安心・愛着」、「モデルとしての憧れ」、そして「自己主張としての自分の印」です。
 0歳から2歳までは、親から離れた不安を紛らわせるために、柔らかいものや可愛らしいものを抱きしめようとします。「コンパニオントイ」といれるものです。私の娘も、お出かけや旅行のおともは、くたくたになったぬいぐるみでした。初めての場所に不安になり、私が運転している間、車の後部座席で眠る時には、ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめて、抱っこして欲しいのを我慢していたようです。きっとママは後から抱っこしてくれるから待っている間はぬいぐるみのお友だちが守ってくれる、と感じていたのだと思います。
 また、この頃の子どもの関心は、食べ物と動物と乗り物です。1歳児の言葉の調査でも、この三種類の単語がもっともよく発声されているとの結果が出ています。2歳までに大人気のアンパンマンは、食べ物で、アンパンマンの世界に住むキャラクターは動物か食べ物です。10年以上、0歳から2歳までの人気第一位のアンパンマンを使って、保育士が壁に飾ってあるアンパンマンの絵を指したり、アンパンマンのぬいぐるみを側に置いて「アンパンマンが見てるから、頑張って食べようね」などと、励ます言葉がけをする姿はよく見られます。
 アンパンマン以外にも、お母さんに代わって見守ってくれるキャラクターが日本にはたくさんあります。そこで、自分が好きなキャラクターを見て、安心の基地にするようです。親が好きなキャラクターがそのまま好きになる子どももいますし、音が出たり、感触が気に入って好きなキャラクターになる場合もあります。
 さて、3歳頃になると、性差がわかるようになります。男の子、女の子の違いに気がつき「あんなふうになりたいな」というあこがれの気持ちが芽生えてきます。私もキャラクターショーに通いましたよ。娘はこんな風になりたいんだなあって気づかされました。私と全く違う、口数が少なくて、パープルがテーマカラーのキャラクターでしたので、かなり複雑でしたよ。
 また、この時期は象徴機能と言って目に見えなくても、ある ことを創造する力が育ち、お母さんの真似や、お店屋さんになったりする「ごっこ遊び」が大好きになります。また、ものまねをすることも楽しみの一つとなります。そこで人気になるのが、キャラクターショーに登場するヒーローものやヒロインのキャラクターです。可愛くて、強くて、スタイル抜群に3歳児さんは変身して、ヒーロー・ヒロインのキャラクターになりきります。変身アイテムは気分を盛り上げてくれる不可欠な道具です。洋服やお弁当箱なども揃えたいとコレクターのように夢中になります。しかし、戦隊や変身のヒーローやヒロインのキャラクターは、テレビ放送との関連が強く、放送が終わると、人気は急降下。一気に「古い」や「ダサい」と辛辣な言葉が出ます。そして、新しく放映されている次のキャラクターに関心は移ってしまいます。
 先程も少し述べましたが、子ども達は自分が好きなキャラクターを集めたい、自分のマークのように目印に使い始めます。自己主張が始まる2歳頃からこの傾向は見られます。最近は保育園でも3歳未満の文字が読めない子どもの為に、その子のマークを入園の時に決めることが増えました。ちなみに、私の娘はパンダでしたので、娘の持ち物や布団にパンダをたくさん描きました。文字が読めなくても、印を自分のことと認識できるのは、脳の発達のサインです。スムーズに文字や数を学ぶようになっていきますよ。
 ディズニーキャラクターのようにたくさんの日常品にまでキャラクターが描かれていると、幼児期を過ぎても自分のマーク、印として愛用するようになるのです。もちろん、その時に流行ったキャラクターや友達との影響、テレビの影響をかなり受けますので、自分の印のキャラクターは目まぐるしく変化することもよく見られます。一番の要因は、日本がキャラクター天国であることです。子どもたちだけではなく、中高生や大人たちの関心を引きつけようとたくさんのキャラクターが毎年無数に生まれています。その中でロングセラーになるキャラクターは、キャラクターの世界観が体験できるものが多いです。キティーちゃんもミッキーも自分がメインの遊園地があり、その世界を体験することにより擬人化が進みます。擬人化が進むということは、キャラクターの個性がはっきり伝わり、自分との共通点を見つけやすく、自分の印に採用しやすくなるということです。
 このように、子ども達は安心の基地としてキャラクターに心寄せ始め、自分のマークやテリトリーの印にし、憧れの対象に展開していきます。つまり、キャラクターへの関心は、自分への関心や愛情の表現です。自分が大好きだから、キャラクターを愛していることが、キャラクターが好きな一番の理由なのでしょう。

【アンパンマンになりきる子どもたち】