人はどういう時に飛躍的な成長を遂げるのでしょう。私の体験に基づいた実例を交えて、人の成長のキッカケ作りについて話したいと思います。

 私が、以前の職場で現場マネジメントをする立場だった時の話です。新入社員で注目されている女性のAさんは、常に同期のBさんを意識していました。2人とも入社採用時には人事部に高い評価をされ、言動で注目されていたからです。入社して実際の業務を始めると、成果に差が出てきました。配属された店舗も違うので環境は異なるわけですが、それでも2人はライバル意識があり、常に成果を比べていました。

 ところがAさんだけが結果を出せません。入社して半年ぐらい経つと、自分はこの仕事に向いていないのではないか?と疑問を持ち始めます。自分は成果を出せる人間なのに、この仕事や環境が悪いんだ、と自分を肯定するための外的要因を探し始めたのです。そして入社して数カ月で退職まで考えるようになりました。そこで私は彼女に言いました。「あなたの素質は間違いなくある。ただ、Bさんと比べすぎている。もっとお客様のために純粋にサービスを提供しましょう。Bさんが10件の成果を出しているから10件を目指すのではなく、あなたは来月、今より1件プラスの3件を目指しなさい」と。

 するとどうでしょう。彼女は翌月3件の結果を出しました。彼女の努力をたたえて店のメンバー全員で打ち上げです。どんちゃん騒ぎをしました。その代わり最後に「では来月は4件をやってみましょう」と。

 不思議です。彼女は翌月4件の成果を残すことができました。またお店で打ち上げに行きました。こうなると彼女は退職の悩みなど消え、毎日意気揚々とした笑顔を振りまくようになりました。

 更に驚くのは、5件、6件と毎月結果を積み上げていき、ついにその年の後半には、エリアの先輩も含めた契約件数レコードをたたき出すまでに至りました。話しはこれで話が収まりません。なんと入社4年目で女性最年少店長に就任するなど全社から注目を浴びる存在にまで飛躍的に成長したのです。