9月、まだまだ酷暑の沖縄。日中、屋外に止めていた車に乗ると、熱気で汗が噴き出てくる。少しでも日光をさえぎろうと、運転席の窓をカーテンやサンシェード(日よけ)で覆って走る車を見かけるが、これは道路交通法違反。沖縄県警は、交通事故を防ぐ目的で、11月から初めて本格的な取り締まりに乗り出す。
 「カーテン等使用車両に対する指導取締りを開始します」。9月1日、県警が検問所や各警察署、自動車教習所などで配り始めたチラシの一文だ。取り締まりを前に、周知している。
 走行中にフロントガラス、運転席、助手席の窓ガラスを「覆う」ことは道交法違反。カーテン、タオルをはじめ、見通すことができるサンシェードも窓ガラスを「覆って」いるので、違反に当たる。視界が狭くなり、左右の確認が不十分となって、事故につながる恐れがあるからだ。取り締まるかどうかは各県警に任されており、すでに取り組んでいる広島県や愛知県などに沖縄も続く。
 2012年の沖縄の交通事故による死者は40人で、記録がある1947年以降最少だったが、13年は52人と増加に転じた。カーテンなどで窓ガラスを覆うことが事故につながるのか、県警としては統計などの根拠はないが、事故防止策の一環として、位置づけていくのだという。
 県警はこれまでにも、タオルやスーツ、Tシャツなどで、運転席や助手席の窓ガラスを覆う車両には、取り外すように指導してきたが、広く浸透はしていない。「特に夏場になると多くなる。暑さが影響している可能性が高い」(県警交通指導課)とみる。
 真夏の車内温度は一体、何度まで上がるのだろうか。日本自動車連盟(JAF)の13年の調査では、気温が35度の炎天下で黒い車を4時間駐車すると、ダッシュボードは79度、車内の最高温度は57度まで上がった。熱中症指数は、わずか15分で人体にとって危険レベルまで達した。
 宜野湾市の運送業の男性(23)は、トラックにサンシェードを利用している。「強い日ざしも暑さも和らぐ。サンシェードがあると快適に運転できる」と効果を話す。一方で、取り締まりが始まることについては「視界が狭まるという理由は分かるが、見通しは十分。そこまでしなくてもいいんじゃないか。危険に感じたことは一度もない」と不満そうだ。
 日差しの強い沖縄では、運転中でも紫外線が気になるため、女性たちは日焼け止めクリームや手袋、サングラスなどで対策をしている。
 中には、すっぽりと顔まで覆うサンバイザーをかぶってハンドルを握る“つわもの”の姿を見かける。これは、違反の対象なのだろうか。

顔まで覆うサンバイザーをかぶって運転する女性。「今後、UV対策をどうすればいいのか」と困惑する=那覇市内

11月から本格的に取り締まりが始まる運転中のサンシェード。カーテン、タオルなども対象になる=那覇市内

顔まで覆うサンバイザーをかぶって運転する女性。「今後、UV対策をどうすればいいのか」と困惑する=那覇市内 11月から本格的に取り締まりが始まる運転中のサンシェード。カーテン、タオルなども対象になる=那覇市内