今回は、沖縄と海外の大学生を比較し、キャリア形成に対する意識や言動の違いと、取り巻く社会環境の差にフォーカスしてみます。

プレゼンを聞くRyukyufrogsのメンバー

シンガポール大学の林建宏さん

プレゼンを聞くRyukyufrogsのメンバー シンガポール大学の林建宏さん

 アントレプレナーシップ(起業家精神)を身につけた沖縄の次世代リーダーを育成するプログラム「Ryukyufrogs」を運営している立場のため、毎年アメリカのシリコンバレーやサンフランシスコを総称するベイエリアを訪れる機会があります。その都度、沖縄と海外の学生の違いを思い知らされます。別にアメリカの学生だけを例に出しているわけではありません。世界のあらゆる国から学生たちがベイエリアに来ているので、ダイバーシティ(多様性が重視される)な環境で、日本の異様な状況に気づくわけです。

 例えば、アメリカの高校を卒業し、現地の大学に進学した日本人女性から聞いた話ですが、自分の適性を決めるために、大学1〜2年生はとにかく興味ある企業数社でインターンシップを経験しているそうです。インターンシップといっても、日本の学生や学校の先生が思い浮かべる、数日や数週間程度の単位目的の強制力のある形式的なインターンシップではありません。主体的に希望企業にアタックしてチャンスをつかみ、数カ月間じっくり取り組んで、アウトプットにもそれなりの成果を求められるものです。

 そういった社会経験を何度か積むことで、自分の専攻や専門分野を絞り込むことが第1ステップになるようです。方向性を決めた後は未来に向けて、大学生活に目的を持って、必死で自己実現するために専門性を磨く勉強をしていくわけです。さらに同じ学年に数千人ライバルがいる中で、死ぬほど勉強して発言しないと大学でさえ生き残れない環境とのことでした。

 もう一人はシンガポール大学の職員で、シリコンバレーで、現地企業と学生のインターンシップニーズをつなぐ業務をしている人から聞いた話です。シンガポール大学では、世界数カ所に拠点を設けて、積極的に海外インターンシップにチャレンジする大学生を後押ししているそうです。

 その職員に、「日本の大学生の多くは、将来キャリアについて漠然としていて、大学で必死に専門性を磨いている人が少ない状況だが、シンガポールではどうか?」と質問したところ、学生のほとんどは日本と対照的で、学生時代にいかに本格的なインターンシップを経験して、社会に出る前までに「何ができるか」を磨くことに必死とのこと。それは、そもそもシンガポール大学がアジアでトップレベルの大学と言われていて、日本の東京大学よりレベルが上だからそういったアグレッシブな学生が多いのか?と確認したら、そうではなくシンガポールの大学生全体がそういった意識です、という回答をいただき、日本との意識差に愕然としました。