沖縄県民の特徴として、男性は特に「門中(もんちゅう)」という血縁一族を取りまとめる意識が高いので、地域への連帯意識が強く、人間関係を構築する術があると思っています。具体的に言うと「人を信じて疑わない」マインド(精神性)が根底にあると思います。

ユニクロのニューヨーク5番街店(ユニクロ提供)

ユニクロのニューヨーク5番街店(ユニクロ提供)

ユニクロのニューヨーク5番街店(ユニクロ提供) ユニクロのニューヨーク5番街店(ユニクロ提供)

 私自身も店長、管理職として多くの部下と仕事をするのですが、とにかく「部下を信じて任せる」ことができるのが沖縄県民の強みを生かしたマネジメントではないかと思っています。それも県外に出て初めて気づいた沖縄の長所、特徴で、今はそれを生かして仕事をしています。

 逆に沖縄県民、というより私自身の弱点は「のんびり」「大雑把」ということ。出世よりものんびり、ゆっくり過ごしたいという気持ちが常にあります。しかし、そのような部分があってこそ、過度にストレスをためずに仕事ができる良いバランスが保てているのかもしれません。

「模合メール」が心の支えに

 沖縄には素晴らしい文化が1つあります。中学、高校の友達や趣味仲間、職場の仲間との関係が生涯続く「沖縄模合」です。本来の模合(頼母子講)の意味と私がここで説明する意味は異なります。

 本来の模合の意味はここでは説明しませんが、私が感じるのは、たとえば県外の企業で働いていて、毎月友達と飲みに行くと言うと、家庭を持っているのに遊んでいると思われるかもしれません。これが沖縄では、模合は遊びではなく人付き合い(またはお金を届けなければならない口実?)となります。
このように定期的に仲間と合える環境があるという模合のありがたみも、県外に出て初めて感じることが出来ました。統計で調べたわけではありませんが、沖縄では「鬱病」や「ストレスを感じて生きている」というのが他県と比較して少ないのではないかと思います。

 沖縄がこれまで長寿県でいられたのも、「模合」が深く関係しているのではと思っています。毎月、気心の知れた仲間と泡盛やオリオンビールを飲みながら語り合うことがストレス発散になっているのではないでしょう。

 私は2010年秋から2012年春までニューヨークに転勤になりました。はじめての海外勤務。しかも英語も苦手で苦しんでいる時に、沖縄の友人から送られてくる毎月の模合の案内メールやその時の写真付きメールを見て、何度も何度も救われました。もちろん、沖縄で開催される模合にニューヨークから参加できるわけではありませんが、離れていても仲間を大事にする県民性を表すエピソードの1つがこの模合の案内メールだと思います。

 現在、私は東京に住んでいるために高校時代の友人との模合に参加できていませんが、模合仲間のメールやLINE、facebookなどを毎月見るだけで癒やされます。これも沖縄から離れて分かった素晴らしい文化です。沖縄県民の皆様、ぜひ県外や海外の友人に毎月、模合の風景を画像付きで共有してあげてください。どれだけ心が癒やされるか計り知れません。

まだまだ将来性高い沖縄

 沖縄の将来はすごく明るいと勝手に思っています。日本国内はどんどん高齢化していきますが、その中でも都会から自然溢れる田舎に移住する人、または海外に移住する人が増えていると聞きます。しかし、実際に海外に行っても言葉の問題などで病院にかかった時など不安になることが多く、数年で帰国することもあるそうです。その点、沖縄は国内でありながら温暖な気候と大自然に囲まれ、医療機関も充実しています。

 今後も県外から移住する方が多くなるのではないかと考えています。そうなると不動産、介護・福祉、医療、健康商品、小売業などのビジネスが伸びる可能性があります。また、社会経験のある多くの方が仕事をリタイヤした後に沖縄に移住してくることで、様々なノウハウを提供する機会が今後増えると思います。

 観光ビジネスにしても、日本国内だけでなく海外からの那覇空港への直行便も増え、観光ビジネス産業も今後伸び続ける可能性があります。ディズニーランドがそうであるように、沖縄へ旅行に行った友人は必ず数年以内にもう1度行きます。つまりリピート率が高い。色々なチャンスが沖縄にはあるのです。2020年、2030年、2040年にどのような沖縄になっているかを考えるとワクワクします。これも離れて分かる沖縄の良さ、素晴らしさではないかと考えます。

バイト生の成長も故郷への還元

 最後に、私自身も30代で沖縄に戻るという計画を20代の時に立て、現在、40代に突入しました。今でも沖縄に戻りたい気持ちはありますし、将来沖縄に戻ることは決めているので、あとはタイミングがいつかというだけです。しかし、大好きな沖縄だからこそ、自分自身が成長して1つでも還元したい。現在、400名のスタッフが働いている銀座店にも沖縄出身のスタッフがいます。大学進学で東京に来てユニクロでバイトをしている彼らを成長させることも、沖縄への小さな還元の1つだと思っています。

 沖縄への愛情、思いは県民みんなが持っていますから、その「地域愛」があるからこそ、多くの方が若い時に色々チャレンジして、沖縄の将来のために頑張りたいと思っています。これを読まれた皆様も東京に来る機会があれば銀座のユニクロへお立ち寄りください。

 何年後か分かりませんが、沖縄に帰り、沖縄の社会に貢献したい。その夢が実現するまでは東京で1日1日をがんばりたいと思います。小さいころから読んでいた沖縄タイムスへこのような記事を書く機会を与えていただき、感謝しています。若い沖縄の方々がこれを読んで、これからの人生に1つでも参考にしてもらえればと思います。