ギリギリのところで分からない1枚

先日、写真に関するワークショップに参加した。参加者それぞれが「すごい」と感じる写真を持ち寄って、何に惹かれたのか、どこが「すごい」と感じたのかを発表し、みなで語り合うというものだ。

撮影・宮城ヨシ子

宮城ヨシ子さん

『写真集 闘牛女子。』(久高幸枝著、ボーダーインク)

『写真集 島の美容室』(写真・文=福岡耕造、ボーダーインク)

撮影・宮城ヨシ子 宮城ヨシ子さん 『写真集 闘牛女子。』(久高幸枝著、ボーダーインク) 『写真集 島の美容室』(写真・文=福岡耕造、ボーダーインク)

中心人物は文筆家の大竹昭子さん。『この写真がすごい2』をこのほど上梓している(http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255007809/)。プロ・アマ・年齢・ジャンルを問わずになぜか惹かれる写真を自身で選び出し、その理由をあざやかな言葉にして付したシリーズの第2弾で、本もイベントも、キーワードはもちろん「すごい」だ。

と言っても、この説明ではどんなワークショップなのか分からないだろうから、私が持っていった写真を例に出したい。写真についてはズブの素人の私だが、「写真の見方には正解はない」という大竹さんに勇気づけられて、冷や汗をかきながらもこんなことを話したのである。

「青々とした芝生の上で、男性が昼寝をしている。状況はのどかだが、やっぱり、この写真からは『事件』の香りがする。顔が写っていないからなのかもしれないし、急勾配から滑り落ちそうに見えるのが理由かもしれない。しかも、偶然こういうふうに撮れたのか、意図して撮ったのか、ギリギリのところで分からない。そこが気になった」

よしこさんは、すごい。

撮影者はボーダーインクで経理を担当している宮城ヨシ子さん。

数年前から始めたカメラによって、ヨシ子さんの人生が大きく変わった。会社でふと姿が見えなくなったと思えば、近所の解体現場や鉄工所、通りがかりの人にカメラを向けている。朝起きてから眠るまで、1日の撮影枚数は30枚は下らないはずだ。

私はいつも、ヨシ子さんがどんな気持ちで撮っているのか気になっている。気になるのが高じて、自社のホームページ上でインタビューまでしてしまった。http://www.borderink.com/?p=11866

ヨシ子さんの口癖は「ギョッとするものを撮りたいの」。そういえば大竹さんも「心のどこかにひっかき傷が残るような写真は、いい写真だ」と話しておられた。

偶然にも6月1日は「写真の日」、そして前後の5月と6月は「写真月間」なのだそうで、那覇の書店でも、写真家の勇崎哲史さんによる写真集の魅力を伝えるイベント「本の寺子屋」が行われている。http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=5201

「本の寺子屋」のスピンオフとして、ボーダーインクでも、当のヨシ子さんが主役となるイベントを企画した。ヨシ子さんは何にギョッとして、芝生で昼寝する人の写真を撮ったのか。そんなことが知りたくて企画したイベントです。ぜひお越しください。


「本の寺子屋」は6月29日(日)午後4時~、ジュンク堂書店那覇店地下1階。トークショー「よしこさんは、すごい。」は同日・同会場で午後5時から、いずれも参加無料。ジュンク堂書店の店長・店員、古書店の皆さんによるバンド演奏もあります。