日米政府が沖縄に基地を押し付けることを恥じず、それに同調する知事がいる状況は悲惨である。
 民意を背負って働く真っ当な知事を選ばなければ、沖縄の将来は真っ暗だ。
 だがわたしは、佐藤教授ほどは悲観していない。今から半年の時間をかけて、日米政府による構造的差別も構造的暴力も許さない「オール沖縄」の民意を再構築することは充分に可能だと思われる。そのときに、若者たちの関心をどう呼び起こすことができるかは、本当に重要な鍵になることだろう。
 佐藤教授もシンポジウムの中で強調していたことだが、自民党の「候補者養成機関」として、なおかつ選挙運動組織としても機能している青年会議所(JC)の役割はバカにならない。彼らはすでに成功しているとさえ言えるし、その熱心な支持者拡大の手法には学ぶべきところもある。
 これを乗り越えるだけの力を、あくまで「オール沖縄」で編み出して、若者たちの関心を引き付けていかなければならないと思う。
 その点、いわゆる革新陣営の識者・論客たちの側に今、柔軟性が見られるのは救いだ。
 たとえばこの4月に発売されたばかりの季刊誌『けーし風』82号(新沖縄フォーラム刊行会議発行)には、新崎盛暉・元沖縄大学学長と島袋純・琉球大学教授の対談「名護市長選後の沖縄――現状と課題」が載っている。昨年の「建白書」の結実を再評価し、今年の名護市長選の勝利の意味を「オール沖縄」の民意の高まりの結果としてとらえているのが印象的である。
 ここで詳しく引用するスペースはないので、書店やネット販売で入手されて、読まれることをお勧めしたい。全16ページに及ぶ対談だが、一気に読めること請け合いである。
 安倍政権は今年、辺野古新基地建設強行のための「県民分断工作」にますます躍起になることだろう。
 自分たちの息のかかった沖縄県知事を誕生させるために必死になるだろう。
 それに対抗するには、わたしたちが日頃の政治的な立場や思想信条の違いを認めつつ、あるいは残しつつ、くどいようだが、あくまでも「オール沖縄」で県民の力を結集して「県内移設阻止」の民意を再構築することが大切なのである。
 本稿は、知事選へのステップとしても非常に重要な沖縄市長選挙の、まさにその期間中に書かれている。しかしこの「タイムス×クロス」をネット選挙のための場とは、さすがにわたしも考えていないので、ここでは具体的な論評は控えたい。ただ、どうしても沖縄市長選挙についての当方の考え方を詳しく知りたい、という奇特な読者諸賢には、当方のブログをご覧くださるようお願いしておこう。

 さて、この項はひとまず終わるわけだが、普天間問題に関しては、沖縄の将来に関わる最重要テーマであることは変わらない。
折に触れて書き続けたいと思うので、今後ともお付き合いのほどをよろしくお願いします。