前回の記事(台風・赤土・ごみ・天敵・病気~美ら海のサンゴが抱える問題点 http://www.okinawatimes.co.jp/cross/?id=31)で書いた自然災害やサンゴの病気は、慶良間諸島に住み、海で仕事をしているダイビングショップや民宿などの観光業を営んでいるみんなの課題になってくると思います。1人ひとりがこの美ら海を守るために、どのようなことができるでしょうか?
 写真Aは「リーフチェック」という、世界規模のサンゴ礁モニタリングとサンゴ礁保全に向けての調査・啓発活動です。渡嘉敷島では、ダイビングサービスVibgyor(ビブジョー)の番田武六さんが過去8年間にわたりリーフチェックを行い、サンゴのデータを取っています。このようなデータが今後の保全につながってくることなので、今後も私も積極的に参加し、広げていけたらと思っています。
 次の写真Bはサンゴの移植です。移植については成功例もたくさん出ているという報告もあるので、慶良間諸島のダイビング関係者が移植したサンゴを守っていけるよう、継続した努力が必要です。
 オニヒトデの稚ヒトデを観察して、翌年に大量発生しないか確認することもできます。写真Cは稚ヒトデによるサンゴの食害です。大きさは5ミリ以下と小さく、今すぐに影響が出るわけではないですが、このデータを基にオニヒトデの発生を予測し、駆除につなげていけるのです。
 このような地道な作業の繰り返しは当たり前として、地元のダイビング業者や民宿はできることをもっと探して、積極的に取り組んでいく必要があると思います。
 写真Dはクマノミという魚なのですが、見てください。写真左側の目が片方の大きく白くなっているのです。サンゴだけでなく魚も病気になっていたりします。このクマノミも、もしかしたら単に寿命でこうなっているのかもしれませんが、もし人間が餌をあげていなかったら、このようなことにならなかったのかもしれません。
 この何年か魚たちを観察していると、固体によりますが、目が白くなっていたり、体にはブツブツとできもののようなものが出ていたりしている魚を見ます。異変は単純に餌付けのせいではないかもしれませんが、餌付けが多く行われている海域と少ない海域で魚を比べると、餌付けが多い海域でよく目にします。
 ほかにも民宿やホテル、民家から出る排水も問題とされています。洗剤だけでなく、歯みがき、シャンプ一、リンス、柔軟仕上げ剤、殺菌消毒剤、化粧品などに含まれる合成界面活性剤はさまざまな毒性が指摘されています。日焼け止めクリームなども問題とされていて、ごく低濃度であっても、サンゴに共生する「らん藻」を殺し、サンゴ白化の原因ともいわれています。合成界面活性剤を100万分の1リットル入れた水の中で飼育したサンゴが、18~48時間内にらん藻が抜け落ち、96時間以内には完全に白化したという実験結果もあります。
 サンゴや魚たちの病気は、人間が被害をもたらしている部分が大きいと思います。美ら海を未来に残していくには、みんながもっと問題意識を持って緊急の課題として解決に向けた取り組みを始めるべきではないでしょうか。

写真Aダイビングポイント 千代頭(チヨチブル) ボランティアダイバーによりリーフチェックを行っています(主催・Vibgyor)。2013年11月撮影。

写真Bダイビングポイント 海人(うみんちゅう) 第1回サンゴイキイキプロジェクトサンゴの日(3月5日)に行いました。今年もサンゴの日には第2回が行われます(主催 渡嘉敷島ダイビング協会)。2013年3月5日撮影。

写真Cピンクのところが丸く白くなっているのがオニヒトデの稚ヒトデによる食害です。2013年12月撮影。

写真D クマノミ

写真Aダイビングポイント 千代頭(チヨチブル) ボランティアダイバーによりリーフチェックを行っています(主催・Vibgyor)。2013年11月撮影。 写真Bダイビングポイント 海人(うみんちゅう) 第1回サンゴイキイキプロジェクトサンゴの日(3月5日)に行いました。今年もサンゴの日には第2回が行われます(主催 渡嘉敷島ダイビング協会)。2013年3月5日撮影。 写真Cピンクのところが丸く白くなっているのがオニヒトデの稚ヒトデによる食害です。2013年12月撮影。 写真D クマノミ