2013年は完全失業率が原数値で18年ぶりに4%台を記録した月もあるなど、県内においては就業者数の増加だけでなく、失業率の改善も見られ始めた1年でした。また、県内の有効求人倍率も2013年9月以降、1972年の日本への施政権返還後では最も高い水準となっています。まだまだ厳しい状況ではありますが、データで見る限りでは仕事を探しやすくなりつつあるといえるでしょう。今回は雇用が好調な産業を確認した上で、失業率全国並み達成の可能性についてデータをもとに推計してみたいと思います。

医療、福祉の伸びが大きい

雇用が伸びている産業とは


 前記のように上向き基調にある県内の雇用情勢ですが、どの産業の雇用が増えているのでしょうか。2005年と2010年の国勢調査を業種別に比較してみると、「医療、福祉」の分野での就業者数が約1万人、増加率では17.2%と大幅に増加しています。就業者数のうち同分野で働いている人の割合も12.1%と大きな割合を占めるようになっています。高齢社会を迎えるにあたり、医療、福祉・介護サービスのニーズが県内全域で拡大していると推測できます。
 また、県が1998年にマルチメディアアイランド構想を策定し、企業誘致に力を入れてきた情報通信産業の分野においても、8.7%と増加傾向にあります。ほかの沖縄県の調査においても、就業者数だけならば情報通信関連産業は2012年までの10年間で約5倍の増加です。
 一方で、観光業と関わりの深い宿泊業、飲食サービス業については、前回調査時よりも5.1%のマイナスとなっています。ただ、宿泊業、飲食サービス業で働いている人の割合は8.1%で全国トップとなっており、他地域と比べても同産業の就業者数は大きな割合を占めているといえます。
 沖縄のリーディング産業のひとつである観光産業は裾野が広く、さまざまな産業に分散しているため、なかなか観光産業の就業者数の変化というものを正確に抽出することは困難です。観光のさまざまな分野への波及効果を考えると、県内の観光は国内外からの観光客の増加に伴い好調を維持していますので、広い意味の観光関連産業で働いている就業者数が減少している可能性は少ないと考えられます。