前回のコラムでは「ひきこもり」と「不登校」問題が密接に関係していること、前々回のコラムでは「ひきこもり」への偏見、また「ひきこもり」は病名ではなく状態を指した言葉であることを書かせていただいた。今回はこの問題に関して、実際にどのような支援が行われているのかを考えて行きたい。

貧困課題を抱えている青年へのパソコンプログラム。パソコンの操作が出来るよう取り組み就業意欲を喚起する=うるま市・コミュッと

農作業を通して不健康な生活状況の改善を図る。また収穫等の作業で利用者通しのコミュニケーションも生まれる=うるま市・コミュッと

貧困課題を抱えている青年へのパソコンプログラム。パソコンの操作が出来るよう取り組み就業意欲を喚起する=うるま市・コミュッと 農作業を通して不健康な生活状況の改善を図る。また収穫等の作業で利用者通しのコミュニケーションも生まれる=うるま市・コミュッと

 まず私の支援経験においては、青年がある日突然「ひきこもる」ケースは少ないように思う。「ひきこもり」状態に至る前には、「学校に行けなくなる」「社会参加できなくなる」等の前兆がある。「ひきこもり」状態にある青年の6割が「不登校」を経験しているとの調査結果があるが、まずは教育機関から福祉や医療・労働分野の支援機関に対する情報提供があるだけでも、6割の「ひきこもり」青年を予防できる可能性がある。また、様々な分野が連携しないとこの問題の解決は難しい。それについては後に述べたいと思う。

 「ひきこもり」について初めて定義をした精神科医の斉藤環氏によると、「『ひきこもり』は思春期・青年期に起こる問題」とし、「6カ月以上自宅にひきこもり、社会参加しない状態が続き、他の精神障がいがその第一の原因として考えにくいもの」と定義している。

 「ひきこもり」青年の中には、就職等の社会経験がありながら、精神疾患によって社会参加ができなくなっているケースもある。この場合は、原因である病気の治療がその対処の第一になってくる。つまり医療行為が必要になるのだ。しかし、対人関係等の挫折によって「ひきこもり」状態に至った青年の場合は、医療的な対応だけでは、状態の改善は難しいと考えられる。

 それらの青年の場合は本人が相談窓口に行けないことがほとんどであり、困っている家族が相談機関へアクセスすることになる。家族から相談を受けた相談機関は、対応として、当事者の青年が窓口まで来所できるかを確認する。窓口に来所できるケースに関しては、福祉や医療の制度で対応できることも多いが、「ひきこもり」は本人が窓口へ来所できない。となると、その場合はこちらから訪問支援に出向くしかないわけであり、国もガイドライン等でアウトリーチ(支援を届ける)と表現し、訪問支援の重要性を説いている。