「沖縄は本の出版がさかん」「沖縄は出版王国」。こうした言葉を耳にしたことはないだろうか。では果たしてどれくらいの本が発行されているのか。

『よくわかる御願ハンドブック』。2006年初版発行、09年には増補改訂版を発行 し、初版15刷、改訂版で9刷を重ねている沖縄のロングセラー 本だ

今年の沖縄県産本フェアの棚

 『よくわかる御願ハンドブック』。2006年初版発行、09年には増補改訂版を発行 し、初版15刷、改訂版で9刷を重ねている沖縄のロングセラー 本だ 今年の沖縄県産本フェアの棚

 沖縄の出版社や古書店等が集い、沖縄で発行された本=「県産本」を一同に並べて販売する「沖縄県産本フェア」というイベントがある。毎年だいたい9月から10月に開催され、今年で第15回を数える。同フェアに出品した書籍を一覧できる「沖縄県産本目録」によると、2013年の新刊は105点(21社)。目録では前年の県産本フェアから後に発行された書籍を「新刊」としているために、2012年に発行された本も含まれている。

 この目録に掲載されているボーダーインクの「新刊」は14点。2013年で言うと1月から12月までで15点を刊行した(例年よりちょっと少なめで、いつもは年間20点前後といったところ)。同フェアに参加していない出版社があったり、書店販売をしていない本も発行されているので全容を完全に把握するのは難しいが、1年間に少なくともこれくらいの本が出版されているというおおよその目安にはなるだろう。

 分野も、歴史・文化・沖縄戦・基地問題・社会・自然・文芸・実用・サブカルチャーなどほぼオールジャンルにわたっており、沖縄のことを長年これほど取り上げ続けているメディアはほかにない、と言い切ってしまいたい。県産本はまぎれもなく沖縄の財産だと思う。

 ありがたいことに、こうした沖縄の本を全国で販売してはどうか、というご提案をいただくことがある。ボーダーインクの場合、主な市場は沖縄県内。「本は売れない」と日々言われてしゅんとしている地方の小さな出版社としては、販路を拡大できればそれに越したことはないのだが、それがなかなか実現していない。理由はいくつかある。