東京支社に沖縄から電話があった。毎週火曜日に掲載する「アクロス沖縄」で登場した医師を紹介してほしいとの相談だった

▼高齢の女性で、働き盛りの息子が神経系の手術後に寝たきり状態になったという。手術までは普通に送っていた生活が一変、体は動かず、食事はチューブでの流動食、話もできない容体となった

▼息子さんの絶望感、親子ともに抱えている将来不安を思うと痛ましかった。「できることは何でもやってあげたい」。わらにもすがる親心に胸が詰まった

▼手術にミスは無かったか、医療やリハビリの態勢は十分か、弁護士に相談しているか。心配になったが、高齢でもあり何にどう手をつけていいか途方に暮れている様子だった

▼お年寄り一人での介護は大変だし、病院や介護のスタッフに要望を伝えたり、医療ミスを追及することも重すぎる。希望の病院を紹介したが、胸のつかえが下りないでいる

▼この女性のように、外部の支援や情報も乏しいまま、介護の労に懸命に耐えている人は多いだろう。患者やその家族の「生」の質を守る社会的な仕組みが十分に機能していない現実がある

▼医療の努力だけではない。埋もれた住民ニーズをくみ取るには、役所や民生委員を含め各層のより細かな対応も必要である。生きやすい社会のため取り組むべきことは尽きない。(宮城栄作)