参院選は公示から1週間が過ぎ、投開票日の10日に向け各陣営が全県で熱戦を展開している。自民公認の現職で沖縄担当相の島尻安伊子氏(51)=公明、維新推薦=は支援を表明する保守系市長を中心に各地で大会を開き3選への支持拡大を図る。無所属新人で元宜野湾市長の伊波洋一氏(64)は「オール沖縄」の候補として県議選で躍進した県政与党、全国で共闘する国政野党の協力を得て初当選を狙う。幸福実現党新人の金城竜郎氏(52)は各地の街頭演説で支持を訴える。各陣営の地域別の動きを追い、情勢を探った。

(左)伊波洋一氏 (右)島尻安伊子氏

[那 覇]

【島尻陣営】経済界に幅広く浸透

 市松山の選対本部は自民県議らが幹部を務め、街頭演説や企業回りなどを徹底し基礎票固めを図る。6月29日に県立武道館で開催した比例代表でセット戦術を組む公明党との合同総決起大会では、経済界などを中心に幅広い層が参加した。

 6月中旬に大手企業の社員を動員し、那覇のほぼ全域でビラを配布。27日からは久茂地交差点で早朝のお手振り作戦も始め、各層へ浸透を図る。

 6月26日は菅義偉官房長官が来県し那覇市内のホテルで保守系首長や議員、経済界関係者との会合で島尻氏の当選へ協力を求めた。

【伊波陣営】街頭アピールに注力

 市古島の教育福祉会館に選対本部兼那覇支部を設置し、城間幹子那覇市長と那覇市議会の金城徹議長が指揮を執る。選対共同代表の県選出野党国会議員との街頭演説を精力的に行い、1日は国政野党の党首級が参加する大演説会を県庁前で開催した。公示後初の週末は候補者本人と安保関連法に反対する市民や選対女性部が商店街を練り歩き無党派層に支援を訴えた。

 企業対策ではかりゆし、金秀の両グループ、那覇市議会保守系会派新風会、翁長雄志知事の後援会の4者で対策班を立ち上げ、企業回りも加速させている。

[北 部]

【島尻陣営】早期に運動拠点開設

 離島を含めた北部12市町村で構成する「北部連合支部」の事務所を5月下旬に名護市城に設置した。拠点の開設は那覇の選対本部に次いで早く、本部町長の高良文雄氏が支部長、前名護市長の島袋吉和氏が事務総長を務めている。

 有権者数が北部で最も多い票田の名護市の支部は末松文信県議が支部長に就任し、6月24日には支部の総決起大会を開き支持拡大に全力を挙げている。

【伊波陣営】名護市長が全面支援

 名護市大南の稲嶺進名護市長の後援会事務所に、北部の拠点となる総支部を設置した。名護市長のほか、大宜味村では前村長の島袋義久氏、本部町では島袋吉徳議長や各市町村議員が支援。金武町や恩納村、宜野座村では前県議も活発に取り組む。6月20日は名護市民会館で「やんばる総決起大会」を開催。同28日には国頭・大宜味・東の3村、本部・今帰仁の2町村でそれぞれ合同演説会を開いた。

[中 部]

【島尻陣営】票田の3市長が支援

 票田の宜野湾市と沖縄市、うるま市は3支部とも、保守系首長が支部長に就いている。北谷町と嘉手納町、読谷村は自民県連幹事長の中川京貴県議が支部長を務める。

 6月30日に宜野湾市と沖縄市の総決起大会を開き、うるま市と東地区(西原町・中城村・北中城村)の大会は5日に開催する予定。

 公約の西普天間地区の国際健康医療拠点の整備で中部地域の振興を訴える。

【伊波陣営】地元宜野湾で票固め

 地元の宜野湾市嘉数で最も早く5月8日に支部を開設。県議選後はうるま市での事務所開きを皮切りに各地に事務所の設置を進める。うるま市では県議2人が共同代表を務め、与勝、石川にも支部を設けた。

 嘉手納町は保守から革新まで村議7人が伊波氏を支援。有権者の多い沖縄市では今週末にスポット演説を実施予定で、生活の党の玉城デニー衆院議員の事務所も拠点の一つとしている。

[南 部]

【島尻陣営】保守連携で集票

 保守地盤の南城市は選対本部長を務める古謝景春市長が支部長を兼任。糸満と豊見城の両市も保守系の現職首長が支部長に就任した。6月30日までに糸満、南城、豊見城、八重瀬の各支部の総決起大会を終え、5日には南風原支部の大会を控えている。

 糸満では県議選のほかに市長選、市議補選も重なり参院選は連続選挙で「選挙疲れ」も懸念されるが保守の連携で集票を図る。

【伊波陣営】票田の運動加速

 人口の多い豊見城、南風原を軸に取り組みを加速化する。豊見城では保守の重鎮とされた市議、糸満では6月の市長選で協力した保守・革新の枠組みで動きを進める。前県議も街頭のお手振りで協力し支援拡大に積極的に取り組む。

 南風原は2014年の衆院選で「オール沖縄」の象徴とされた仲里利信衆院議員を誕生させた経験から共産議員を中心に、組織的に活発な動きをみせる。

[宮古・八重山]

【島尻陣営】振興と安保訴え

 宮古は「沖縄の振興を考える保守系市長の会」(チーム沖縄)会長の下地敏彦宮古島市長が支部長を務め、座喜味一幸県議が事務総長として保守層を中心に支持固めに奔走する。

 石垣は中山義隆市長が支部長、砂川利勝県議が事務総長に就任。尖閣諸島問題を抱える安全保障政策の面での重点地域とし、1日は安保政策に精通する石破茂地方創生担当相が石垣入りし集会で支持を訴えた。

【伊波陣営】無党派浸透狙う

 宮古は前回市長選で革新の票が割れていたが、ことし6月の県議選では統一候補が市区トップ当選を果たしたことで勢いに乗る。元副市長や前県議も支持拡大に取り組みを進める。候補者本人は6月30日に街頭演説と支部総決起大会を開いた。

 石垣は新人県議を中心に支持拡大を訴え、自治労など各地域の労組を中心に活動し無党派層の取り込みにも力を入れる。候補者は27日に石垣、西表島を訪れた。