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  • 沖縄戦で米軍少将が持ち帰った「鐘」が約70年ぶりに戻ってくる
  • 鐘は17世紀のものとみられ、NPO理事長が少将の孫から了承を得た
  • 理事長「琉球の魂を感じる。歴史・文化に誇りを持ってほしい」

 沖縄戦で攻略作戦を指揮した米第10軍司令官バックナー中将の死後、数日間指揮を引き継いだロイ・ガイガー少将が米国に持ち帰った「鐘」が来年4月、沖縄に「返還」されることになった。NPO法人琉米歴史研究会の喜舎場(きしゃば)静夫理事長(65)が、鐘を所有するガイガー少将の孫メラニー・リーさん(68)=米フロリダ州=と交渉し「返還」の確約につなげた。

来年4月に沖縄に「帰る」ことが決まった「鐘」=米国フロリダ州ペンサコーラ

 喜舎場理事長によると、鐘は高さ約48センチで、龍頭が添え付けられている。製造年など詳しい調査はこれからだが、県立博物館・美術館などによると、国頭村安波区公民館に所蔵されている「梵鐘」に特徴が似ていることから、17世紀ごろにつくられたものとみられるという。

 鐘の存在は以前、喜舎場理事長の元に、メラニーさん宅でメイドをしているうるま市出身の女性を通じて、鐘の詳細を知りたいとの相談が寄せられていた。喜舎場さんは6月13日から米国入りし、メラニーさんらと話し合い、返還の了承を得た。返還後は、県立博物館・美術館に寄贈する。

 ガイガー少将は1945年に帰国して数年後に病死したといい、鐘は娘のジョイスさん、そして孫のメラニーさんに渡った。

 喜舎場さんは「鐘には人々の祈りが込められており、琉球の魂を感じる」と説明。その上で「沖縄の財産が戻ってくることは、沖縄の歴史や文化の証拠となる。若い世代に歴史・文化を誇りを持ってほしい」と話した。(中部報道部・赤嶺由紀子)