【久高泰子通信員】5月に県内で発生した元米海兵隊員による女性暴行殺人事件は、フランスでも大きな反響を呼んでいる。事件が発覚した5月下旬には、NHK国際テレビや24時間情報放映のケーブルテレビ、衛星テレビの「ユーロ・ニュース」などが、沖縄県民の怒りと歴史的な沖縄への基地の重圧、被害のルポを放映。事件への関心が高まった。

米兵暴行殺人事件に抗議する県民大会の様子を伝える「ユーロ・ニュース」の一場面

 週刊誌「Courrier Internationel」は県民の怒りや「基地あるがゆえ」の悲惨な犯罪歴を掲載。6月19日の県民大会について、日刊紙「La Croix」なども記事を取り上げた。

 AFP通信(フランス通信社)やロイター通信、県内地元紙や全国紙などから記事を転載・引用したネット情報サイトには「沖縄県民の怒り再燃」「20年前の暴行事件以来、県民の怒りが鎮まる事はない」「事件後、米軍人は飲酒と外出を1月制限」「沖縄は日本の犠牲の地」「沖縄の米軍基地、余りにも多くの犯罪」などの見出しで、沖縄の歴史と現状、基地被害を報道する内容があふれた。

 アラブ諸国など他国メディアの仏語サイトも多く「71年前、戦争に敗れた日本は沖縄を米軍統治下に置いた。地元紙沖縄タイムスは『沖縄で続発している米兵による県民への犯罪は、日本の新聞では報道されない。沖縄は差別され、日本の安全のために犠牲にされている』と告発。『基地が無くならない限りこの残虐な状況は消えない』と痛烈に批判する」と報じている。

 各メディアの報道はいずれも「日本全土の1%にも満たない沖縄の地に74%の在日米軍基地が密集。事件の2カ月前にも24歳の米兵が強姦(ごうかん)罪で逮捕された」と沖縄の過重な基地負担を紹介し「沖縄では米兵による犯罪が絶える事がないが、日本には彼らを裁く権利がない。6月19日の県民大会では、6万5千人が被害女性のために黙とうをささげた」とウチナーンチュの怒りを伝える。

 さらに「県民の怒りは限界に達している」とのプラカードを一斉に掲げた写真のほか、AFP通信は71歳の内村チヒロさんの「悲しみで一杯。これ以上の犠牲が出てほしくない。基地がある限り同様の事件は発生する」とのコメントや「日本はいまだ米国の植民地で、普天間はその象徴」と話す59歳の男性の声を紹介。

 他メディアも、19日には沖縄だけでなく東京の国会前に1万人、首相官邸前には3千人が集合したと報じた。