【与那国】太古の航海を再現・検証する国立科学博物館の「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」が12日、与那国町のカタブル浜を出発点に始まる。日本・沖縄の先祖が台湾から渡航した状況を再現し学術的に探究するのが目的。乗船する「古代舟」を島で自生するヒメガマで製作し、こぎ手7人が西表島まで約75キロの航海に草舟で挑む。

本番に向け、島に自生するヒメガマで草舟製作に当たるプロジェクト関係者ら=5日、与那国町久部良・ナーマ浜(金井瑠都通信員撮影)

 プロジェクト代表で同館人類史研究グループ長の海部陽介さんらが5日、記者会見し「試走では風向きや海流の関係で思ったより進まなかったので出発地を変更した。本番用の舟の製作は順調」と報告した。

 これまでの準備では、本番用の草舟製作前に試乗用の1艇を海上に7日間浮かべたところ、15センチほど沈んだものの、大人8人が乗っても十分に浮力があった。速度は時速3キロほど。休憩時間などを考慮すると、西表島到着まで30時間以上かかる見通しという。

 櫂(かい)は旧石器時代の手掛かりがないため、縄文時代にあったタイプの櫂を製作。海上での進路は3万年前の状況を考え、こぎ手たちが太陽や星の位置、風向きなど自然現象を利用して決める。(金井瑠都通信員)