米軍普天間飛行場の移設問題で宜野湾市民112人が、県と翁長雄志知事に名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの無効確認と損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、那覇地裁(森鍵一裁判長)であった。森鍵裁判長は無効確認の訴えを却下し、損害賠償請求を棄却した。住民側は判決を不服として控訴する。

会見で判決への不満を語る平安座唯雄原告団長(左)ら=14日、沖縄県庁記者クラブ

 判決は、埋め立て承認で法律上の利益(埋め立て権)を与えられたのは国だと指摘。承認取り消し処分を直接受けていない住民側に、原告適格(訴訟を起こす資格)がないとして無効確認の訴えを不適法とした。

 住民側は、翁長知事の承認取り消しで飛行場の辺野古移設が頓挫し、平穏な環境で暮らせる「期待権」が侵害されたと主張。これに対し判決は「埋め立て承認は、普天間飛行場の近隣住民に直接法的効力を生じさせるものではない」と指摘。住民側が主張する「期待権」は法律上の利益ではないと判断した。

 判決は住民側の県に対する国家賠償請求についても、法律上の利益がないことを理由に棄却。翁長知事に対する損害賠償請求についても「公務員の職務行為よって生じた損害については、国や地方公共団体が賠償責務を負う」と退けた。

■原告「冷たい判決だ」

 「理解に苦しむ」「冷たい判決」。翁長雄志知事の承認取り消しの無効確認などを訴えた住民や代理人は14日、「敗訴判決」が下ると不満の声を漏らした。

 平安座唯雄原告団長は「前知事や担当職員が審査を重ねて承認したものを、翁長知事が恣意(しい)的に取り消した。平穏な暮らしを望んでいる宜野湾市民の声がなぜ届かなかったのか、理解に苦しむ」と肩を落とした。

 住民側代理人の徳永信一弁護士は「普天間飛行場によって、住民の生存権が侵害されているのは明らか。期待権を侵害された住民の訴えに耳を傾けない冷たい判決だ」と批判。「原告適格の範囲を広げてきた判例の流れに逆行する」とも指摘した。