沖縄タイムス本社がある那覇市久茂地。国道58号は車が24時間行き交い、喧騒(けんそう)が静まることはない。それでもオスプレイが近づくと、羽音がビル内に響き渡る。比較的高度があるのに低周波音の圧迫感が迫る

▼都市部の那覇でもこんな状況だから、静寂の森に囲まれた東村高江にはもっとひどい被害がある。夜、集落をオスプレイがかすめ飛んで住民の安眠を破り、児童が体調不良で学校を休んだ

▼すでに完成した二つのヘリパッドを使った訓練でも安眠を妨げられているのに、さらに四つもできたら耐えられるのか-。元区長の仲嶺武夫さん(77)は「深夜訓練が続けば住む人はいなくなる」と危機感を募らせる(16日付本紙)

▼ヘリパッド工事再開に向け、本土から高江に投入される機動隊は500人。昨秋、辺野古に派遣された5倍の人員に、さらに県警も加わり、最大約800人体制で反対の市民と対峙(たいじ)する

▼1955年のきょう未明、米軍は「銃剣とブルドーザー」で宜野湾市伊佐浜の土地を強奪した。同年3月に続く2度目の接収で、座り込む住民をたたき出し、家屋を焼き払い、農地をつぶして基地を造った

▼米軍が住民の土地を強権的に奪った時代から61年。安倍政権が高江でやろうとすることは「伊佐浜」と重なる。当時の人々の決起は、翌年の「島ぐるみ闘争」に発展した。(磯野直)