「そば食べに行こう」。十数年前に中部支社勤務だったころ、そう言ってよく訪ねてきた姿を思い出す。15日に亡くなった元社会党県本副委員長の中根章さん(享年84)。いつでも気さくに声を掛けてくれた

▼一緒に行った古い小さな沖縄そば屋。話はもっぱら「子どもたちのため」と、こどもの国の動物園を充実させたいという熱い思いだった

▼基地従業員や小学校の代用教員などを経て市議・県議を務めた。政治家を引退後も、比謝川の浄化運動などを続けた。源流があるこどもの国の池を浄化する資金集めでチャリティーコンサートを開催。今も続く「毛遊びコンサート」は沖縄市の名物イベントになった

▼中根さんの原点は青年団活動。20代で地域の青年会長に。頻発する米軍人によるトラブルや事件を防ぐために自衛団を結成した。基地あるがゆえに起こる理不尽な事件・事故の実態を県外でも訴えた

▼中根さんの呼び掛けで結成した青年団のOB会は、今でも毎月総会を開き、オスプレイ配備反対などの運動を続ける。青年団活動が「何よりの財産」という思いは、受け継がれていくだろう

▼「後輩を育ててくれた」「誰からも好かれる」。周囲が口をそろえる人柄は多くの人を引きつけた。平和や環境、こども、地域の幅広い課題に力を注いだ。私たちが遺志を引き継ぐ番だ。(赤嶺由紀子)