米国の新聞記者だったA・ビアスの人気新聞コラムをまとめたベストセラー作品「悪魔の辞典」は鋭い社会風刺にあふれている

▼【夫】とは何か。ビアスはこう書いている。「食事が終わると、皿のあと片づけを命じられる人」と。政治分野でも容赦ない。【外交】を「祖国のために偽りを言う愛国的な行為」と皮肉っている

▼100年前の著作だが、毒を盛った解説のキレは今も色あせていない。もし、ビアスが健在なら、秒読みを迎えた東村高江のヘリパッド建設をめぐる今の動きをどう斬っただろうか

▼本家をまね、駄作ながら私家版「辞典」で読み解くと次のようになる。【高江着工】曖昧な態度の翁長知事と地元住民の分断を狙った巧妙な踏み絵。米国へのアピール効果も狙う

▼【負担軽減】負担を強いる側が、新たな負担を押しつける時に使う常套句(じょうとうく)。最近は数字を操作するので注意が必要【日本外交】負担軽減を求める自国民の訴えには背を向けて、相手国には要求以上に譲歩してしまう反愛国的な行為

▼【民主主義】地域の民意を無視して、国益を合言葉に数の力で押し切るルール。大多数の無関心な人たちの後押しが不可欠【辺野古新基地】地元に負担軽減につながると錯覚させ、100年後も沖縄を事件事故の絶えない「基地の島」に固定化する大型ハコ物。(稲嶺幸弘)