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  • 米軍属事件の再発防止策として国職員によるパトロールが始まった
  • 車20台40人で19~22時に巡回するが、今後の要員確保のめどはない
  • 地域の防犯ボランティアとの連携も見えず住民から戸惑いの声も

 元海兵隊員で米軍属の男による暴行殺人事件を受けて政府は15日、再発防止策として結成した「沖縄地域安全パトロール隊」による巡回をスタートさせた。当分の間、内閣府の沖縄総合事務局と防衛省の沖縄防衛局の職員が20人ずつ、2人1組の40人体制で、青色灯を取り付けた公用車20台で見回りを行う。だが、今後の要員確保のめどなどはなく、「見切り発車」の状態だ。

地域巡回に出発する青色回転灯のパトロール車=15日午後、那覇市おもろまちの沖縄総合事務局駐車場

 那覇市の内閣府沖縄総合事務局で同日、出発式が行われ、島尻安伊子沖縄担当相は「事件で県民は治安面で大変強い不安を感じている。パトロールが安全、安心の確保に役立つことを期待したい」と述べた。

 青色灯をつけた車両20台が繁華街や通学路の巡回を開始。沖縄防衛局の職員は沖縄市以北、沖縄総合事務局の職員は北谷町以南と分け、午後7時~午後10時の間、繁華街や人通りの少ない場所などを巡回する。

 出発式で島尻沖縄担当相は、防犯パトロールの効果を疑問視する報道陣からの質問に「必ず何かしらの効果があると信じている」と答えた。今後は、自衛隊や警察などを含む退職者を非常勤として採用するなど、最終的に100台規模の車両体制で実施する方針。

■地域との連携「何も情報ない」

 政府が15日、新たに創設した「沖縄・地域安全パトロール隊」。巡回車100台態勢を銘打つがパトロール要員確保のメドは立っておらず、当面は管理職を含めた職員が巡回を担うなど見切り発車の状態だ。内閣府の関係者は「今後、地域との連携も視野に入れたいが、具体策はこれから」と吐露。地域住民からは「地域ボランティアとの連携など、何も情報がない」と困惑の声が漏れている。

 沖縄政策担当の大山研次参事官補佐は100台の巡回車について「速やかに展開したいが…」と歯切れが悪い。パトロールは3時間。「人員確保や雇用形態は課題。最初の1カ月は職員でまわすしかない」

 地域では、地元のボランティアが担っていた分野に政府が突然“参入”したことに戸惑いの声も出ている。

 事件現場に近い地域の自治会長は「自治会の防犯パトロールと連携するのか、情報が全くない」と困惑。沖縄市のゲート通りに近い自治会はシニア世代のボランティアが多く、子どもの安全確保がメイン。米軍対策で連携を求められた場合に「果たして対応できるのか」と不安がる。

 県警生活安全部によると、県内の青色回転灯のパトロール車両は648台、登録は412団体。政府は「県警と連携する」とするが地域との調整なども予定なし。県警内ではパトロール車両が増えて「住民は安心する」との意見がある一方で「長年、地域のボランティアが培った防犯活動に国が金を出して『安心して』という対応では、疑問や不満が出かねない」と疑問視する声もある。