米国で廃虚のような街が、演劇を核に高級住宅街に生まれ変わった話を作家の井上ひさしさんが「演劇ってなんだろう」で紹介している。演劇関係者の専用ビルを建てたら、周りにさまざまな専門店ができ、街が活性化したという

▼国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ りっかりっか*フェスタが22日開幕した。キジムナーフェスタとして沖縄市を中心に開催されていたとき、いくつかの舞台を見たが、子どもたちの生き生きとした表情が印象に残っている

▼3年前から民間主導となり、活動の場を那覇市に移した。拠点は新都心地区。文化の薫る街を目指す通り会と、世界の演劇を子どもたちに見せたいというフェスタの趣旨が一致した

▼もともと米軍住宅地だったが、約30年前に返還され再開発された地区。公演場所の提供やフェスタの宣伝など、通り会メンバーの企業や団体が積極的に支援、協力している

▼通り会はユネスコの文化創造都市に那覇市が認定されることも目標に置く。地域には県立博物館・美術館もあり、文化都市を目指すには好条件だろう

▼住む街に個性や魂を吹き込むため、地域ぐるみで取り組む意義は大きい。市民の関心や理解を高めるには、地道で息の長い活動が必要となる。フェスタは今月いっぱい。多くの人が演劇を体感してみてほしい。(玉寄興也)