きょう、先の参院選で初当選した伊波洋一さん(64)の任期が始まる。沖縄選挙区では現職閣僚に10万票差をつけて圧勝したが、国会は新基地建設を強行する巨大与党が占める。無所属議員には困難な状況が待ち受ける

▼宜野湾市長時代の2004、05年、2度の訪米直訴行動に同行した。当時の県、名護市が普天間飛行場の辺野古移設を条件付きで容認する中、伊波さんは本気で風穴を開けようとした

▼「普天間は世界一危険で一刻の猶予もない」「辺野古移設は県民が認めず、実現不可能な計画」「米国内に戻すことが最善の解決策」-。相手が連邦議員でも秘書でも、予定時間を大幅に超えても、反対の理を訴え続けた

▼当時、前例がなかった市町村長の訪米直訴。しかも05年は市議会に予算を否決され、自腹をきっての渡米だった。米側から「県も容認している」「まずは県内世論を高めるのが先」と反論された

▼しかし今、「危険な普天間」に誰も異論はなく、翁長雄志知事をはじめとする「県内移設反対」の世論はかつてないほど強まっている

▼与党が数で圧倒する国会の壁は分厚い。無所属ゆえ、質問の機会もままならない。それでも「戦後71年の基地問題に終止符を打つ」。高江や辺野古で、参院選翌日から尋常ではない安倍政権の強硬姿勢が際立つ中、伊波さんの決意に切実な期待がかかる。(磯野直)