那覇市議会(定数40、現有35)の金城徹議長への不信任・抗議決議案が相次いで可決された6月定例会。背景には金城議長を送り出した「新風会」が選挙対応などを巡って失職・離脱者が相次ぎ、議席を半数以下に減らしたことがある。同会は翁長県政の誕生をはじめ「オール沖縄」勢力の候補者を支えた保守系会派でかつての市議会最大会派。最終本会議では抗議決議可決後、野党会派など過半数の18議員が退席するなど紛糾、「議長職を辞任しないなら8月予定の臨時会でも同様の対応を取る」と強硬姿勢を崩さない。金城議長の判断が注目される。(那覇担当・又吉俊充)

過半数の18市議が退席し、空席が目立った那覇市議会の6月定例会最終本会議=6月29日、那覇市議会議場

 金城議長に批判的な立場を取る野党会派は、埋蔵文化財の調査報告書未刊行問題で、市議全体の情報共有が遅れたことなどを問題視。議長職辞職を求めているが、金城議長は「数の力による理不尽な決議。指摘はどれも辞任理由にはあたらない」として辞職の考えがないことを強調する。

 不信任、抗議決議案採決では自民、公明に加え議長選や衆院選での対応を巡り新風会を離脱した議員らでつくる「なはの翼【無所属G】」など18議員が賛成に回った。抗議決議の提案理由でなはの翼所属の花城正樹議員(民進)は「独善的で非民主的な議会運営で、金城議長の下では健全な運営は望めない」と厳しく非難した。

 2014年の議長選を巡っては、新風会は金城氏に候補者を一本化したが、元新風会の屋良栄作議員(現なはの翼)が急きょ立候補し、市議38人(当時)の票が同数となりくじ引きで金城氏に決まった。新風会は最大会派(11人)を維持していたが、この混乱で離脱が出た。

 ことし6月の県議選で新風会所属の仲松寛、山城誠司の両市議が出馬し、落選。さらに「議長任期を金城議長と分け合うことになっていた」(与党市議)という知念博議員が交代の調整などを巡り脱会。議長職の金城議員を除くと所属議員は4人まで減少した。協力関係の「社社市民ネット」、共産党を加えても15人で過半数に届かない。

 議長への不信任・抗議決議案可決について琉球大学の島袋純教授(地方自治論)は議会改革の一環として、議会の在り方を明文化している市議会基本条例の中でも「少数与党の会派から議長が選出されている状況は想定していなかったのでは」と推察。議会の正常化に向けては「次の市議選まで交代しないのか、議長選を実施するのか市議会で早急に答えを出すべきだ」とし、市議会基本条例の中で議長職の新たな原則について再考すべきだと指摘した。

 過半数の議員が退席し市民生活に関わる各案件が可決された6月定例会。市民の意思が十分に反映されたとは言い難く、正常化に向け各議員の良識ある判断が求められる。