沖縄県と国は、名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟の和解条項に基づき「政府・沖縄県協議会」の下に設置した作業部会を14日、県庁で開く。翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しを巡り、国地方係争処理委員会が国と県の両者に協議を促してから初の開催となる。

辺野古新基地に関する政府と沖縄県の主な協議と内容

 県は、係争委の結論を受け、地方自治法が定める期限の21日までに国を提訴しない考えを正式に伝える方針。

 一方、国は県から提訴するのが和解条項にのっとった手続きだと主張。米軍北部訓練場の返還条件となっているヘリパッド建設への協力も求めるとみられる。

 県からは安慶田光男副知事、国からは杉田和博官房副長官らが出席する。

■国、寄り添う姿勢“演出”

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、国と県は2015年以降、正式な「協議」を計8回開催した。だが、新基地建設断念を訴える県側に対し、国は「辺野古が唯一の解決策」を繰り返し、両者の考えは平行線をたどってきた。15年9月には政府から持ち掛けた集中協議終了直後に沖縄防衛局は海上作業を開始するなど、国は協議を「沖縄に寄り添う」ための“演出”として利用している側面も浮かび上がる。

 14年12月、新基地建設反対を掲げた翁長雄志知事が誕生すると、政府は辺野古移設を容認していた前知事の時代とは手のひらを返したように翁長県政を冷遇した。

 だが、政府は突如、15年8月から1カ月間、海上作業を止めて県との協議期間を設けた。国民の間に反対意見が多かった安全保障関連法の成立を9月に控えた時期で、政権の安定運営に利用した、との見方も強かった。

 現に、集中協議の5回の会合では普天間飛行場返還の「原点」で相いれず、国は県が求める「辺野古が唯一」の理由に答えることなく決裂。直後に海上作業に着手した。

 翁長知事は10月13日、辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した。これに対し政府は工事を強行、11月に代執行訴訟に踏み切った。

 強行策に出た政府だが、意外な形で再び沖縄県との協議に付く。きっかけは、16年3月4日の和解合意だ。政府は和解条項に従い全工事を停止するとともに、裁判所に「円満解決へ向けた協議」を求められる。

 政府は3月23日に政府・沖縄県協議会を開き、和解条項の内容を協議するための事務方による作業部会を設置した。

 一方、ここでも協議内容は「円満解決」には程遠かった。翁長知事が「辺野古が唯一」との固定観念にとらわれない協議を求めたのに対し菅官房長官は従来の「辺野古が唯一」を繰り返し、議論は平行線をたどった。

 14日の作業部会後の22日以降、国は県への違法確認訴訟の提起が可能になる。「沖縄から話は聞きました」-。14日の作業部会は、政府が県を訴えるための“演出”となる可能性もある。

■普天間負担軽減 21日に会議再開 国・県・宜野湾市

 政府と県、宜野湾市でつくる普天間飛行場負担軽減推進会議が21日に開かれることが13日、分かった。政府関係者が明らかにした。

 推進会議は2014年10月以降、開かれておらず、翁長県政になって初めて。県が政府に対し、今月中の開催を求めていた。菅義偉官房長官、翁長雄志知事、佐喜真淳宜野湾市長が出席し、米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と「5年以内の運用停止」などを協議する。国側は外務、防衛、沖縄担当の各大臣も会議のメンバーに入っている。