沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄県と国は14日、訴訟の和解条項を協議する作業部会を県庁で開いた。国側は和解以降中断している米軍キャンプ・シュワブの陸上部分での工事再開を県側に打診。県は工事場所などが分からないとして判断を保留、工事に関する詳細な説明を国側に求めた。県幹部によると、近く沖縄防衛局の職員が県に詳細を説明するという。

国と県それぞれの主張

 現在、国は和解条項に基づき新基地建設に関わる全工事を中断している。防衛省関係者によると、今回再開を求めたのは、埋め立て工事とは直接関わりのない隊舎解体などの工事だという。県への説明前に強行的に工事に着手することはないとしている。

 一方、県幹部は直接的な埋め立て工事ではなくても、間接的に新基地建設につながるものであれば認められないとの認識を示した。防衛省は陸上部の工事を再開した際、混乱を避けるためヘリパッド建設に向け19日にも沖縄入りする500人規模の機動隊の一部をシュワブゲート前に配置する方針で、工事が再開されれば混乱を招くのは必至だ。

 この日の会合で安慶田光男副知事は国地方係争処理委員会の結論を受け、地方自治法が定める期限の21日までに国を提訴しない考えを伝え、協議を求めた。

 これに対し法務省の定塚誠訟務局長は、協議と訴訟は「車の両輪」だと述べ、協議と訴訟を並行して進めることは問題ないとの認識を示した。22日以降の訴訟提起に関しては持ち帰って検討するとし、訴訟の可能性に含みを持たせた。

 国側は、米軍北部訓練場の返還条件となっているヘリパッド建設へ県の協力を要請。安慶田副知事は「行政的に(手続きに)違法性がないか検討したい」と述べるにとどめ、明確な賛否は避けた。前回会合から県が求めていたブイやアンカーブロックの撤去に国は否定的な考えを示し、臨時制限区域の解除については持ち帰って検討するとした。

 会合に先立ち、翁長雄志知事は杉田和博官房副長官と会談した。知事は参院選の結果などに触れた上で「新基地建設を認めないのが沖縄の民意だ」と反対の考えを重ねて強調。参院選翌日に資機材などを搬入した政府の手法は「信頼関係を築けない」と批判した。