嘉手納は切磋琢磨(せっさたくま)する新旧4番打者の2人が攻撃を引っ張った。

那覇西-嘉手納 3回裏嘉手納2死一塁、知花拓哉が左越え2点本塁打を放つ=沖縄セルラースタジアム那覇(金城健太撮影)

那覇西-嘉手納 8回6安打無失点に抑えた嘉手納のエース仲地玖礼(渡辺奈々撮影)

那覇西-嘉手納 1回裏嘉手納1死一塁、那覇西の二塁手・我那覇翔也が併殺に仕留める

那覇西-嘉手納 3回裏嘉手納2死一塁、知花拓哉が左越え2点本塁打を放つ=沖縄セルラースタジアム那覇(金城健太撮影) 那覇西-嘉手納 8回6安打無失点に抑えた嘉手納のエース仲地玖礼(渡辺奈々撮影) 那覇西-嘉手納 1回裏嘉手納1死一塁、那覇西の二塁手・我那覇翔也が併殺に仕留める

 先取点を挙げたのは、3回戦、準々決勝と決勝打を放った8番大城堅斗だった。二回2死一、三塁のチャンス、内角のカーブを捉えて左前へ先制打を放った。春まで4番だった大城は「エースのために早めに得点したかった」と満面の笑みだった。

 三回2死一塁、今度は大城から「カーブが浮いてきているぞ」とアドバイスを受けた4番知花拓哉が、狙い球の内角の甘い変化球を振り抜いた。打球は風に乗って左翼スタンドへ。公式戦初アーチとなる2点本塁打に「まさか入るなんて。仲地を楽にすることができてよかった」と喜んだ。

 今大会では安打数を勝負するなど、刺激し合ってきた。この日は2安打ずつ放った。「本塁打でいいところを持っていかれ悔しい。負けてられない」と大城が闘志を燃やせば、知花は「打順と関係なく、打ってつなぐことが大事。自分たちのやるべきことをやれば勝てる」と気を引き締める。

 悲願の夏の甲子園まであと1勝。“2人の主砲”がナインを聖地へと導く。

(我喜屋あかね)

■主戦仲地、8回零封 さえる変化球 三塁踏ませず

 走者を背負うごとに、嘉手納のエース仲地玖礼の集中力が増した。変化球を低めに集め、打たせて取る投球で8回を無四球無失点。毎回、先頭打者を出さず、三塁を踏ませなかった。

 「自分が完投できれば、どこにも負けない」。大会随一の強豪ブロックを制し、自信は確信に変わった。

 4種の変化球と直球で、テンポ良く打たせて、球数を抑えることを意識した。追い込めばボール球になるフォークで三振に仕留めた。女房役の知花拓哉は「ストレートと変化球の腕の振りがほとんど変わらず、打者は見極めが難しい」と評価する。

 昨秋大会で右肘を痛め、今大会の3週間前にようやく本調子に戻った。この日は球数95球に抑え、連投の心積もりはできている。決勝の舞台へ仲地は「気を抜かず、集中していく。相手投手よりも長くマウンドに立ち続けたい」と腕をまくった。

■赤嶺粘投130球那覇西及ばず

 那覇西は二、三回と序盤でエースの赤嶺由生郎がつかまり3失点。打線は嘉手納8安打に対して7安打を放ったが、嘉手納の仲地玖礼の低めに集まる変化球を見極められず、本塁が遠かった。3安打と気を吐いた3番新田一惟は「チャンスであと一本が出なかった。相手投手の変化球と直球のリリースにほとんど差がなく、振ってしまった」と悔しがった。

 赤嶺は二回に自らの失策が絡んで1失点。三回2死一塁では、4番の知花拓哉に外のスライダーを左翼スタンドに運ばれる2点本塁打を浴びた。「準決勝の雰囲気、相手の気迫に押されてしまった」と肩を落とした。

 それでも130球で完投し、全5試合のマウンドを守った。赤嶺は「自分がうまくゲームを運べなかった。申し訳ない気持ちでいっぱい」と声を詰まらせながら「ここまで来られたのはみんなの力。最後は胸を張って帰りたい」と前を向いた。

(勝浦大輔)