第98回全国高校野球選手権沖縄大会は、嘉手納が初優勝を果たした。「実力伯仲」の今大会。準々決勝までにすべてのシード校が敗れた。秋季大会4強、春季8強と着実に力をつけてきた嘉手納は、大会一の激戦区を勝ち抜いて勢いをつけ、夏の甲子園切符を手にした。持ち味でもある「打ちつなぐ野球」で、聖地での1勝、上位進出を期待したい。大会を振り返る。(我喜屋あかね)

優勝旗を手にダイヤモンドを一周する嘉手納ナイン=沖縄セルラースタジアム那覇

 嘉手納のエース仲地玖礼は2回戦から登板し、43回1/3を投げて決勝を含む3試合を完投した。防御率は1・25と安定しており、フォーク、ツーシームなど4種の変化球を低めに集めて打たせて取るピッチングで凡打の山を築いた。

 決勝では3回戦以降、3点以下に抑えられていた打線が爆発した。二塁打2本、三塁打2本に加えて3番大石哲汰、8番大城堅斗が本塁打を放ち、長短打で16安打11点を奪った。

 今大会のチーム打率は3割2分2厘。4番知花拓哉と大城がともに4割超と好調で、攻撃をけん引した。

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 準優勝の美里工業は好カードとなった初戦の石川戦を5-2で退け、準決勝まで毎試合二桁安打を放って打ち勝ってきた。準決勝では、小禄に先制を許したが、適時打とスクイズ攻勢で一気に逆転した。

 今大会の犠打30本は4強の中でも最も多く、強打に加えて機動力も光った。

 初の準決勝進出を果たした那覇西はエースで主将の赤嶺由生郎が今大会で唯一全試合を完投し、防御率1・41だった。小禄は、打率5割4分5厘の1番大城旭を筆頭に、上位打線の打力がさえ、打撃戦を勝ち抜いた。

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 シード校4校(糸満、豊見城、沖縄尚学、美来工科)に加え、昨年大会優勝の興南が8強入りを逃した。嘉手納が勝ち進んだAブロックには春優勝の糸満、秋優勝の八重山、昨年4強の宮古、興南、八重山商工と強豪校が集中し、熱戦を繰り広げた。

 また、2006年に八商工を県勢離島初の甲子園に導いた伊志嶺吉盛監督が今大会で勇退。八重山、糸満、宮古を下して準々決勝に進出し、大会を盛り上げた。昭和薬科大付属が躍進し、16強入りした。

 全国選手権大会は8月7日、阪神甲子園球場で開幕する。組み合わせ抽選会は同4日に行われる。