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  • 沖縄で唯一のフィルム上映映画館「コザ琉映」が31日に閉館する
  • 映画館の隆盛期に開館、米兵や市民でごった返し立ち見も出た
  • 同館の映画技師「時代の流れだから仕方ない」。取り壊しは8月

 沖縄県内で唯一、フィルム上映している映画館「コザ琉映」が31日に閉館する。映画のデジタル化が進み、配給会社からのフィルム調達が困難になったことや建物の老朽化などから56年の営業に幕を下ろす。

56年間の営業に幕を閉じる県内唯一のフィルム上映の映画館「コザ琉映」=21日、沖縄市照屋

 同館は1960年、コザ市(当時)商工会の理事を務めていた故金城正春さんと、市内で別の映画館を経営していた故比嘉良實さんが共同で設立した。

 当時のコザ市は映画館の激戦地区。沖縄市史編集担当者などによると、復帰後、現在のコザ十字路や胡屋十字路付近は米軍相手の商売を認める「商業指定地」で、現在の国道330号沿いに次々と映画館がオープン。47~64年の間に約20の映画館が開業していたという。

 コザ琉映も映画館開業の隆盛期に開館。米軍や市民でごった返し、立ち見が出るほどだった。チケット料金の精算が間に合わず、おけを設置してチケット代金を回収することもあったという。その後、テレビの普及やレンタルビデオ店の進出で映画産業が衰退。市内の映画館が次々と閉館する中、コザ琉映も差別化を図ろうと70年代から成人映画に切り替わった。

 同館で働く映画技師の男性は「時代の流れだから仕方ない。閉幕までしっかりと映像をスクリーンに映していきたい」と話した。取り壊しは8月。跡地の利用は決まっていない。