93年余、受け継がれてきたこだわりの味を一杯に込めた「新山食堂」の沖縄そば。やんばる産の豚と鶏をベースにかつお節をブレンドしたスープは、あっさりとした中にもコクがある。1923年に名護で創業した老舗の味は今も変わらず、店長の寺田光枝さん(67)の手によって守られている。

人気メニューのそばセット(800円)。ジューシーかいなりが選べる。

新山食堂の場所

「はい、どうぞ」とやさしい笑顔で野菜そばを出す店長の寺田光枝さん=浦添市港川

人気メニューのそばセット(800円)。ジューシーかいなりが選べる。 新山食堂の場所 「はい、どうぞ」とやさしい笑顔で野菜そばを出す店長の寺田光枝さん=浦添市港川

 2014年12月に、浦添市港川の外人住宅に名護に続き、2店目をオープン。白を基調とした明るい店内には、親子連れでもくつろげるよう畳間の座敷やトイレにはおむつ替え用のベビーベッドを用意した。「子どもの頃に親と一緒に食べた沖縄そばが懐かしい」と、思い出の味を求めて遠方から訪れる客も多い。

 定番で一番人気は「新山ソーキそば」(750円)。てびちそば(750円)は女性ファンも多い。具に三枚肉とソーキの2種類が入ったそばに、いなりかジューシーが選べる「そばセット」(800円)もお得で人気のメニューだ。

 名護そばの元祖となる平打ち麺に加え、普通麺も選べる。「体にいいものを」と2代目店主の寺田初さんが始めた結び昆布と揚げ豆腐のトッピングも新山食堂ならではだ。県産の三温糖やしょうゆを使い、じっくりトロ火で煮込んだ三枚肉やソーキはしっかり味が染み込み、口に入れるとすぐにほぐれる。

 午後5時~8時までは「パパ・ママ応援」として小学1年生までの子どもに小そばを無料で提供。寺田さんは「子どもが喜べば、親もきっとうれしいでしょ」とほほ笑む。

 時代を経て家庭でも気軽に食べられるようになった沖縄そば。だが、寺田さんは「ここでしか出せない味を守りつづけたい」と、思いを込めた一杯を今日も振る舞う。(浦添西原担当・伊禮由紀子)=毎週金曜掲載

 【お店データ】浦添市港川2の12の5。営業時間午前11時~午後8時。水曜定休。駐車場8台。電話098(988)1394。