沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、石井啓一国土交通相は22日、辺野古埋め立て承認取り消しの取り下げを求める是正指示に応じないのは違法として、翁長雄志知事を相手とする違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)に起こした。是正の指示や取り消し処分の適法性を巡り、国と県が再び法廷で争う。国が地方自治体を相手に違法確認訴訟を起こすのは初めてとみられる。

国による違法確認訴訟の提起と米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事の再開を受け、政府の強行姿勢を批判する翁長雄志知事=日午後、東京・永田町の内閣府

国による違法確認訴訟の提起と米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事の再開を受け、政府の強行姿勢を批判する翁長雄志知事=日午後、東京・永田町の内閣府

 同支部は、第1回口頭弁論を8月5日の午後2時に決めた。国側は上申書で、第1回弁論後に結審し、速やかに判決を出すよう同支部に求めた。

 訴状で国側は、翁長知事が是正指示に従わないのは違法で、取り消し処分も違法だと指摘。仲井真弘多前知事の承認処分に、法的な瑕疵(かし)はないなどと主張した。

 菅義偉官房長官は提訴後の定例会見で「和解条項に基づき、訴訟と協議を並行して進めていく」と語った。翁長知事は東京都内で記者団の取材に応じ、「直ちに提訴したのは非常に残念。基地問題についての国の強硬な態度は異常だ」と批判した。

 これまで国と県は、3月の代執行訴訟の和解で、埋め立て工事を中止し、「円満解決に向けた協議」を続けてきた。しかし、普天間飛行場の移設先を「辺野古唯一」とする国と、「辺野古阻止」を掲げる県の溝は埋まらなかった。

 県側は「協議が問題解決の最善の道」とする国地方係争処理委員会の判断を尊重し、提訴を見送った。これに対し、国側は「訴訟も一つの解決策」として、地方自治法が定めた県の提訴期限後、提訴に踏み切った。