「なぜ通れない」「トイレにも行かせないのか」。22日午前6時、突然封鎖された沖縄県東村高江の県道70号。新川ダム入り口の交差点で愛知県警機動隊のバスが両側2車線をふさぎ、北上しようとする全ての人と車の通行を一時遮断した。「人権侵害だ」「戒厳令か」と行く手を阻まれた市民の怒号が響く。警察官に詰め寄ったが、沖縄県警の現場担当者は「危険なので規制している」との説明を繰り返した。

警察が一時封鎖した県道70号=22日午前11時12分、東村高江(本社チャーターヘリから)

 県警の警察官らが車両を止め、Uターンかダム方面への迂回(うかい)を指示。県道70号の直進を禁じた。規制区域内から出てくる車両に対しては「出たら戻れない」「徒歩でも入らせない」と説明。多くの人が「根拠を示せ」「移動の自由の侵害だ」などと抗議したが聞き入れられず、トイレや物資調達を諦めて引き返す姿が目立った。

 報道関係者や県職員も例外でなく、足止めされる車両が相次いだ。行く手を阻まれた記者が「不当な取材規制だ」と抗議しても、県警の担当者は「とにかく通さない」の一点張り。取材記者の交代は交渉の末、現場まで警察官同行の条件付きでようやく認めるほどの厳戒態勢を敷いた。

 県道路管理課によると午前8時50分ごろ、県北部土木事務所の職員が道路管理者として状況確認に向かったが、規制線の先に進めなかった。県道の管理者であることを示す身分証を提示したが認められず、引き返した。午前9時すぎ、名護署から北部土木事務所に県道70号を通行止めにしたと連絡があったという。

■「法の乱用」専門家指摘

 県警と沖縄防衛局は抗議運動の“要”だったゲート前の車両とテントを強制排除した。政府は当初から「検問、県道封鎖、住民排除」の方針を打ち出していたが、県警側は「反対派の車両で県道が埋まり、緊急的に規制した」と政府方針を否定する。事前に「規制」を想定していれば道路管理者の県への連絡が必要だが、「緊急性」を理由に、県も蚊帳の外に置き、一気呵成(かせい)に撤去を進めた。

 午前9時ごろ、封鎖が始まった東村高江の県道70号では県の担当職員が県道管理者証を示し、中に入れるよう求めたが機動隊に阻まれ、引き返した。

 同時刻、県道内では反対市民への強制排除が始まり、車両も次々移動させた。県警は「県道は車で埋まり、車両通行ができない状態。工事車両や作業員とのトラブル未然防止で住民の移動を求めた」と述べる。

 一方、現場に駆け付けた横田達弁護士は「道交法は災害時の緊急対応、不発弾撤去などの場合を想定する。今回の封鎖はそれにあたらず、根拠がない」と法の乱用を指摘。「政府のなりふり構わない姿勢が表れている」と批判した。

 テントを撤去した沖縄防衛局は、責任の所在や根拠法令を聞く本紙の取材に回答しなかった。