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  • 夏休みでにぎわう糸満のビーチで落雷があり1人が重体、3人けが
  • 雷注意報を受けビーチ側が遊泳客を陸上に避難させた直後だった
  • 応急処置を施したライフガード「容体が心配。無事でいてほしい」

 夏休み中の家族連れや観光客ら約630人でにぎわう糸満市のビーチに24日、突然雷鳴が響いた。沖縄気象台が沖縄本島地方に雷注意報を発表してからわずか3分後、雷が直撃した男性は心肺停止となり、近くにいた男性3人もけがをした。目撃者は「まさか雷が落ちるとは」と口々に話し、「無事であってほしい」と男性の容体を心配した。

落雷で遊泳禁止となった美々ビーチいとまん。普段ならにぎわう時間帯だが、人けがなくなった=24日午後5時、糸満市西崎町

美々ビーチいとまん 落雷現場

落雷で遊泳禁止となった美々ビーチいとまん。普段ならにぎわう時間帯だが、人けがなくなった=24日午後5時、糸満市西崎町 美々ビーチいとまん 落雷現場

 落雷のあった糸満市西崎町の「美々ビーチいとまん」は、ほとんどの公立学校が夏休みに入ってから最初の日曜日でもあり、発生当時、家族連れら約630人が遊泳やバーベキューを楽しんでいた。

 ビーチ管理関係者によると昼すぎから断続的に大雨が降り、「ゴロゴロ」と音が響いていた。午後2時42分に気象台が発表した雷注意報を受け、すぐさま遊泳客全員を陸上に避難させた直後、ビーチ正面入り口付近の広場にいた男性に雷が直撃した。

 ライフガードの大城織弥さん(27)は意識がない男性に声をかけ、管理事務所に運び、救急車が到着するまで心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)を行った。「身に着けていた洋服も一部しか残っていない状態。声をかけても反応しなかったので、すぐAEDを行った。男性の容体が心配。無事であってほしい」と祈るように話した。

 落雷を目撃した駐車場係の男性(45)は「雷が直撃した男性はトイレに向かっている様子だった。『ドン』という音とパッと広がる光と同時に、ばたりと倒れた」と当時の状況を説明した。

 男性ビーチスタッフ(40)は「光とともに、大きな破裂音が聞こえた。ここで1年ほど働いているが、落雷を見たのは初めてだ」と話した。

 落雷現場を見ていた那覇市の赤嶺あゆみさん(31)は「稲光がすごくて怖かった。この場所で、落雷が起こるとは思わなかった」と不安な表情を浮かべた。

■注意報 50人が遊泳中止

 落雷は雷注意報の発表を受け、ライフガードがマイクで遊泳客に呼び掛けて約50人全員を海から上がらせた直後に発生した。

 雷が落ち、けが人が出た場所はビーチから300メートルほど離れたアスファルト敷きの広場。ビーチ管理責任者の金城一彦さん(47)によると、これまで同ビーチで落雷や落雷による人的被害の事例はないという。

 ライフガードサブチーフの上原壮八さん(41)によると、通常は雷警報と違い、注意報の段階では遊泳禁止にしないという。「今回は稲光や大きな雷の音が聞こえたために遊泳を止めさせ、砂浜にいる人たちにも屋内やテント内に避難するよう呼び掛けた」と話す。

 発生当時、現場からすぐ近くの管理事務所にいたビーチスタッフの男性(40)は、倒れている2人の男性を確認後、ライフガードらと担架で事務所内に搬送して応急処置を行った。

■懸命処置 呼吸戻る

 119番通報を受けて出動した消防隊員によると、現場に着いたときには、ライフガードが一時心肺停止となった40歳男性に蘇生の手当てをしていた。

 到着後、隊員らはすぐに男性をストレッチャーで救急車に乗せ、「ドクターヘリで駆け付けた医師と一緒に、器具を使ったり人工呼吸をしたりして救命処置を施した」という。

 応急処置で男性は自発的に呼吸ができるまで回復したものの意識は戻らず、南部医療センターまで救急搬送。男性の友人1人が付き添ったという。

 隊員は「同様の落雷は珍しいと思う。私も経験したことがない」と話し、男性の容体を気に掛けていた。

 搬送時、救急フロアに居合わせたという70代女性は「院内はそこまで慌ただしい雰囲気はなかった。男性の家族らしき人も見かけたが、割と落ち着いている様子だった」と語った。