厚生労働省が2013年に発表した平均寿命で、女性が3位、男性が30位に転落した衝撃を「330ショック」という。40年に男女とも平均寿命全国1位を目指す県民ぐるみの運動の中心的な役割を果たすのが保健師だ

▼保健師は復帰前、公衆衛生看護婦として「住民の健康の守り手」になった。医師もいない離島僻地(へきち)に駐在し、猛威をふるっていた結核対策や母子保健、健康相談などに取り組んだ。「公看さん」と親しまれた

▼地域に密着した献身的な活動は、住民に奉仕する精神「公看魂」に支えられてきた。戦後の県内の保健医療は、公衆衛生看護婦を抜きには語れない

▼公衆衛生看護婦の養成や駐在制度の確立に尽力したのが、今年5月に100歳で亡くなった元那覇保健所看護課長だった金城妙子さんだ。13年前に取材でお会いし、笑顔がチャーミングな女性という印象を受けた。保健活動は「地域を見る目が大事」と語っていた

▼地域保健法施行で1997年3月、46年間続いた駐在制度は廃止された。地域密着の活動は海外で評価され、公衆衛生担当者が研修に訪れた

▼今は、地域住民の健康を把握するのは困難な時代になった。一方で生活習慣病の重症化防止など地道な保健指導が欠かせない。保健師の活動の重要性を再認識し、支えることが長寿県復活につながる。(与那原良彦)