全国ワーストの高失業率にあえいできた沖縄の有効求人倍率が1倍を超え、初めて求人数が仕事を探している人の数を上回った。世界的な大不況、リーマンショック翌年の2009年に比べれば約3・6倍の高さだ。数値上かつてない“活況”を示す沖縄の労働市場だが、果たして仕事を探している人に「1倍超」の実感はあるのか-。県内3カ所のハローワーク(HW)前で求職活動中の33人に聞くと、正社員就職を目指す人を中心に「実感なし」が6割を占めた。

 29日午後のHW前は20~30代の若者の姿が目立った。「実感はない」。うるま市の27歳男性は言う。2年働いた居酒屋は手取り月給15万円で、月200時間超えのサービス残業があった。次の食品工場は月給12万円。1年続けたが、家賃4万円もままならず転職活動を始めた。「給料重視で面接を受けたが、そういう求人は倍率高い。ことごとく落ちている」と苦笑い。

 「数だけ増えている感じ。選ばなければ仕事はあるんだろうけど」。会社の都合で転職を迫られている浦添市の30歳男性も「正社員の職は長時間残業を前提に残業代は固定され、月給10万円台前半ばかり。生活できないので、県外就職しかなさそう」と肩を落とす。

 給料未払いで会社を退職した1人暮らしの那覇市の52歳女性も「正社員で働けるなら週1日の休みでもいいが、6時間パートの求人ばかり。月給10万円足らずでどう暮らしていけっていうの」と漏らした。

 一方で「実感あり」も約3割いた。実家の世話になりつつ、正社員就職を目指して求職3年目になる那覇市の20歳男性は「3年前に比べたら求人が増えた印象で期待している」。専門学校でパソコン技術も取得し「手当たり次第、正社員に応募したい」と意気込んだ。