【平安名純代・米国特約記者】米自治領・北マリアナ諸島テニアン島とパガン島の市民や環境団体らは27日、在沖米海兵隊のグアム移転計画に伴う実弾射撃場の建設地選定に不備があったとし、米海軍省や国防総省などを相手に、建設の差し止めを求める訴えをサイパンの連邦地方裁判所に起こした。

 実弾射撃場の建設を巡っては、グアムの住民らが米軍を相手取った訴訟で環境影響評価(アセスメント)がやり直された経緯があり、今回の訴訟もグアム移転計画に影響を与える可能性がある。

 米AP通信が同日に報じた内容によると、原告には、ジュゴン訴訟などにも関わった米環境保護団体「生物多様性センター」や「アース・ジャスティス」などの団体や地元住民らが名を連ね、実弾射撃場の建設と完成後の米軍の訓練が生活環境にどのような影響を与えるかに関する調査が不十分と指摘。国家環境政策法(NEPA)が順守されていないと主張している。

 米国防総省は、テニアンとパガンに実弾射撃訓練場などの建設整備を計画している。

 米海軍省は当初、実弾射撃訓練場をグアム島北東部パガットに建設する計画をしていたが、先住民の遺跡保存や住民らの生活への影響を巡り、住民や市民団体が工事の差し止めなどを求め、米軍を提訴。アセスがやり直された経緯がある。

 原告らは、テニアンの住民約3千人の大半はチャモロ族の低所得者層で、米軍はすでに狙撃訓練などに同島を使用していると訴えている。