米大リーグ、マーリンズのイチロー選手が、新たな金字塔を打ち立てた。15日、日米で積み重ねたヒット数が4257となり、ピート・ローズの通算安打記録を抜いた

 ▼打撃だけでなく、俊足を生かして塁を奪い、フェンスによじ登ってでもボールをつかみ取る。走攻守いずれをとっても42歳とは思えない技に、ベースボール本場のファンも称賛を惜しまなかった

 ▼大リーグに移籍した2001年に、新人最多安打記録を塗り替え、首位打者にもなった。04年には最多安打記録を84年ぶりに更新し、09年にも9年連続200安打の新記録を達成している

 ▼野球の神様から命を授かったかのようにも思われる人であるが、目標や、変化を恐れず進化を求める真(しん)摯(し)さが、数々の記録の根底にあろう

 ▼できないだろうと人に笑われた目標も「常に達成してきている自負がある」「常に人に笑われてきた歴史、悔しい歴史が僕の中にあって、これからもそれを達成していきたい」。人に見せない悔しさをバネに、創意工夫を積み重ねてきたに違いない。会見での言葉が胸に響いた

 ▼スポーツに限らずどんな分野であっても、人にはいろんな違いがあり、人生は「不公平」にできている。自らの境遇や能力を嘆いても何も実らない。「乗り越え続けろ」。イチローからの叱咤(しった)が聞こえるようである。(宮城栄作)