【沖縄】「8月8日」は爬虫(はちゅう)類の日-。沖縄市山里で、爬虫類専門店「THE爬虫類」を経営する稲福昇さん(55)がこのほど、一般社団法人日本記念日協会に申請し、登録された。「爬虫類をメジャーにしたい」という一途な思いで店を始めて20年。その魅力をさらに広めるための記念日の制定に、「爬虫類ファンの励みになれば」と喜んでいる。(中部報道部・赤嶺由紀子)

「爬虫類の日」の記念日登録を喜ぶ稲福昇さんと妻の玲子さん=沖縄市山里・THE爬虫類

 稲福さんが営む専門店のドアをくぐると、大きなイグアナが愛らしい目で迎えてくれる。トカゲやヤモリ、ヘビ、カメ、カエルなど30種類以上、50~60匹を扱う。「値札がついていないのは私のペットです」と笑顔をみせる。

 爬虫類に“はまった”のは小学生の頃。山で遊んでいる時に、アカマタにかまれたことがきっかけだった。腕をかまれたまま、怖くて引き離せずに帰宅。父親が用意した箱に収めて観察していると、クネクネと進むその不思議な姿に痛みも忘れて「どうしてこんな動きができるのか」と魅せられた。

 専門店を構えた1996年当時は物件を貸してくれる不動産業者も少なく、「爬虫類のペット店をやりたいと言っただけで、断られた」と苦笑い。開店しても、店の前を避けて通る通行人や、店に入ってくるなり「気持ち悪いですね」と心ない言葉をかけられたこともしばしば。「利益を度外視して、爬虫類を認めてもらいたい一心でやってきた」と振り返る。

 興味本位で飼おうとする客には売らなかった。今ではファンも多くなり、取扱店も増えてきた。若い女性や主婦層にも人気があるという。動物たちの餌にと葉野菜を持ち込んでくれる地域の農家もいる。

 稲福さんにとって爬虫類の魅力は「自然の一部だから」。爬虫類が生きている環境の一部を切り取り「飼育させてもらう」という姿勢だ。「飼い手が爬虫類に寄り添うということですかね」と目を細める。「記念日は20年の集大成」と稲福さん。今後は子どもたちが集まって学ぶ場やミニ動物園のような取り組みも夢見ている。