取材で行ったやんばるの森の小道で、久しぶりにジューミー(アオカナヘビ)を見つけてうれしくなった。透き通った水たまりには真っ黒なイモリ。自然の恵みと愛らしい姿に癒やされた

▼思わず目が留まったのは「8月8日」が近づいたからかもしれない。沖縄市で爬虫(はちゅう)類専門店を営む稲福昇さん(55)が、日本記念日協会に申請して、今年から登録された新しい記念日「爬虫類の日」だ

▼平成8年8月8日、店のオープン当初は、ペットとしてまだマイナーだった。メジャーに押し上げたい一心で20年。いまでは若者や学生、主婦など幅広い層のファンが増えている

▼毛嫌いされがちな爬虫類だが、稲福さんはその魅力を人間の手が加わっていない自然の一部だから、と話す。人間の都合では絶対に飼えない、とも。飼い手がその世界にお邪魔させてもらうという姿勢を貫く

▼生き物を知り、命の大切さを共有するファンをつくってきた記念日でもある。「おなかがすいているとか、機嫌が悪いとか、表情も分かるんですよ」。今後は、地域の子どもたちが集まって生き物について学び、情報交換する場を提供したいという

▼〈井守手を可愛(かわい)くつきし土の色〉。俳人の中村汀女が詠んだ句がある。生き物を愛(め)でる機会を子どもたちに増やしてあげたいという稲福さんの思いと重なる。(赤嶺由紀子)