黒島港を出ると、目に飛び込んでくる牛の像。その隣にある茶色の建物が、牧場も経営する宮良りみさん(53)のカフェだ。

濃いめの味がスープに合う自家製味噌そば(左)と黒島の青豆ぜんざい(右)、新鮮ジャージー乳

飲み放題のジャージー乳をおかわりする男性。畜産の仕事に励む島民の力にもなっている=竹富町黒島

濃いめの味がスープに合う自家製味噌そば(左)と黒島の青豆ぜんざい(右)、新鮮ジャージー乳 飲み放題のジャージー乳をおかわりする男性。畜産の仕事に励む島民の力にもなっている=竹富町黒島

 島のほとんどの人が畜産業にかかわる黒島でも唯一、乳牛のジャージー牛を飼育。カフェでは絞りたての牛乳とコーヒーが飲み放題だ。

 2年ほど前に飼い始めたジャージー牛の「きなこ」。黒島で乳牛の飼育はなく、「家族や友人が飲むくらいは出るかな」と考えていたが、想定外の量が出て、カフェで無料提供することに。

 潮風を吸収し、カロテンたっぷりの牧草を食べた「きなこ」の牛乳は濃厚。まったりとした味わいがクセになり、今では島の人がマイコップ持参で新鮮牛乳を飲むために訪れる。

 宮良さんは、島の女性たちでつくる生活改善グループ「ふぅがぁる」でも活動し、黒島伝統ながら、作り手が途絶えそうになった「島みそ」を約10年前に復活。

 大豆と麦で仕込み、長期熟成した島みそを使った「自家製味噌(みそ)そば」(600円)はカフェの人気メニュー。もやし豆を使った「黒島の青豆ぜんざい」(400円)も島の伝統食で、温かい黒糖味のぜんざいは食後にぴったり。

 夏場は、かき氷(300円)や外は熱々、中はひんやりの「アイスクリームの天ぷら」(600円)も人気だ。

 牧場にカフェ、レンタルバイク店に民宿まで経営し、島最大のイベント「黒島牛まつり」の実行委員長も務める宮良さん。「女性が元気だと島も元気」を信条に、ジャージー牛の可能性に期待を寄せる。

 「牛乳を加工し、アイスやチーズ、ケーキも作れる。畜産がメーンで、特産品の少ない黒島のお土産になるし、女性たちの雇用も増える」と6次産業化への夢を語った。(八重山支局・新崎哲史)