平和通りからつながるすーじ道にひょいと足を踏み入れる。2人がやっと通れるほどの道を進むとオリーブオイルやチーズの匂いがほんのりと香る。ドアもなく、木を基調に作られた小さな店舗が、沖縄でただ一つの揚げピザ「パンツェロッティ」専門店だ。

とろとろのチーズやハムが入ったプロシュットコット

開放的で誰でも気軽に入れる店内=那覇市牧志

とろとろのチーズやハムが入ったプロシュットコット 開放的で誰でも気軽に入れる店内=那覇市牧志

 パンツェロッティとは、ピザ生地にハムやチーズ、トマトソースを乗せ、折りたたんで揚げたもの。ピザの本場イタリア・ローマなどでは、ピッツェリアのサイドメニューとして提供されており、街中で食べ歩く人が多いとか。店長の與儀喜峰さん(30)によると、専門店は国内に3店舗しかないという。

 豊見城市のピザレストラン「ブッファロ」でピザを作っていた與儀さん。ローマのように、若者が国際通りやマチグヮーを散歩しながら食べてほしいと、姉妹店として10月にオープンした。広告は出さず、プレオープン時の来店客のSNSで宣伝してもらった。いまでは地元客や市場関係者、観光客まで年齢を問わずお店に立ち寄ってくれる。

 作り方は企業秘密。大人の拳よりも大きなもちもちの手作り生地を一口かめば、じゅわりとトマトソースが広がり、とろとろのチーズが顔を出す。マルゲリータ(450円)やディアボア(480円)といったピザの定番商品のほか、ハム入りのプロシュットコット(430円)もおすすめ。熱々のまま一気に食べればおなかも心も満たされる。

 「作るだけでも楽しいのに、お客さんが来てくれるだけでうれしい」と目を細める與儀さん。たくさんの人が店の名前が書かれた袋を手に、パンツェロッティを食べ歩く姿を想像する。いつかは街中で開かれるイベントブースにも出店したい。マチグヮーの新たな魅力創出に向け、小さな店の挑戦が始まった。(那覇担当・我喜屋あかね)