今帰仁村自慢の純粋な在来豚「今帰仁アグー」は甘さが違う。ランチの塩どんぶり(午後3時まで、980円)、しゃぶしゃぶ(2500円)など「脂のうまみを生かすため、余計な調味料を使わないようにしている」と、店主の東恩納美枝子さん(59)。

今帰仁アグーの甘みが生きたしょうが焼き

店主の東恩納美枝子さんが植物を生け、店内は庭園のようになっている

今帰仁アグーの甘みが生きたしょうが焼き 店主の東恩納美枝子さんが植物を生け、店内は庭園のようになっている

 しょうが焼き(1100円)も味付けはしょうゆ、みりん、しょうがだけ。シンプルだが、ご飯が進む。ご飯だけでなく、だしの効いたアーサ汁までお代わりを勧めてくれるので、つい食べ過ぎてしまう。

 健康志向の人には野菜たっぷりの佗助膳(850円)。地元の農家が裏口にそっと置いていく野菜を、工夫を凝らして料理する。喫茶店らしくスパゲティやピザトーストもあり、老若男女どんと来いのメニューだ。

 16年前にオープンした時、食事は出していなかった。夫婦ともに地元湧川出身の東恩納さん。「地域の人が落ち着ける場所を」と喫茶店を始めたが、あれもこれもと客の要望に応えているうち、本格料理店に変身してしまった。今では観光客も多い。

 元は義理の両親が経営していた商店を、友人が集まって改装した。店内は山から切り出した4メートルほどのセンダンの木が頭上を走り、日本庭園風のスペースも。茶室に入る前に手を清める「つくばい」まであるのは、東恩納さんが茶道の師範だから。抹茶(ようかん付き、600円)をたててくれる。

 さらに、生け花の師範でもある東恩納さん。店名は、ツバキの仲間に由来する。「華やか過ぎず、小さくて優しい感じが好きで」。今帰仁の村民気質にも通じるような、花の名が似合う店だ。(北部報道部・阿部岳)