漁師が水揚げした魚をさばく横で鮮魚を楽しめる食堂。目の前は西表島の山々とマンタと遭遇できることで知られるヨナラ水道の青い海が広がり、いつまでもボーッとしていたい誘惑に駆られる。

鮮魚をふんだんに盛りつけた人気の刺し身定食

天気のいい日は細崎漁港を眺められるテラスでの食事がお勧め=竹富町小浜

鮮魚をふんだんに盛りつけた人気の刺し身定食 天気のいい日は細崎漁港を眺められるテラスでの食事がお勧め=竹富町小浜

 水産物を島内で消費し、漁業者の所得向上と地域の雇用につなげようと、細崎公民館が運営する食堂として1月にオープン。観光客を中心に、多くの人が訪れる島の新名所となっている。

 ランチは午前11時~午後2時すぎまで。1番人気の刺し身定食(800円)はイカやタコ、ガーラやタマン、イラブチャーなどをボリュームたっぷりに盛りつけ。野口定松店長は「美味で、市場の流通量が少ないアオリイカは食堂に優先的に卸してもらうので、食べられるチャンスも多い」とアピールする。

 時間をかけて魚のアラからだしを取った「海人汁定食」(600円)、鮮魚と野菜の「海人かき揚げ丼定食」(600円)も自慢の一品だ。

 ランチ終了後も刺し身パック(500円)、魚やモズクの天ぷら(300円)、揚げかまぼこ(300円)を販売。揚げたての天ぷらを手に海を眺めるのもお勧め。

 漁師の船が港に着くと、野口店長は調理場の隣の水揚げ場に向かい、一匹一匹の値段を交渉する。「これまでは島外の競りに出し、輸送費負担が大きかった。食堂の経費を差し引き、漁業者の所得も上がる経営をしていきたい」。将来は食堂の売り上げを公民館主催の地域活動にも還元したい考えだ。

 春にかけてはモズクが旬を迎える。島の名人から習った「モズクのつくだ煮」など加工品も販売していく予定で、野口店長は「働く場があれば新しく漁師になる人や若者の定住につながる。経営を軌道に乗せたい」と力を込めた。(八重山支局・新崎哲史)